中学受験「国語」読解力アップ3大秘訣 出題小説を受験塾教室長が徹底解説
中学入試国語 3年間で5冊36件も出題された講談社の小説をていねいに分析
2022.09.17
「国語は対策がしにくく、成績をあげにくい……」
そう思ったことはありませんか? 暗記科目ではなく、学力アップのノウハウがわかりにくい受験科目に頭を悩ませている方も多いと思います。
そんなみなさんに朗報です!
首都圏中学受験塾の教室長歴15年目、受験について解説するYouTubeチャンネルの登録者数11000人を突破しているakiraさんが、国語の「読解力」をあげる方法をコッソリ、教えます!
首都圏中学受験塾の教室長が教える、読解力アップのコツ
首都圏中学受験塾の教室長をしています。akiraと申します。
前回は夏休みのおすすめ本を紹介しましたが、読書と読解力についてもう少し話を続けていきます。
国語がよくできる生徒に読書好きが多いのはたしか
国語が得意な生徒によくこんな質問をします。
「あなたはなぜ国語がよくできるのですか?」
すると、多くの生徒は回答に悩みます。自分がなぜできるのかがよくわからないまま、無意識のうちに正答を出しているということなのでしょう。国語が苦手な人にとってみればうらやましい限りです。
強いて言うなら、ということで「読書が好きだから」と答える生徒もいます。「読書はよくするのに、国語の得点は今ひとつなんだよなぁ……」という人にとっては、もう一声欲しいと思うのではないでしょうか。
国語は言葉そのものを扱う科目です。われわれの生活に最も密着した科目と言ってよいでしょう。
日常生活を送る中で無意識のうちに言葉をつかっている人がほとんどですから、そのような人が改めてその出来具合について問われたとしても、ピンと来ないのが普通です。
とはいえ、国語に不安を抱える人にとって、その原因がはっきりしないまま学習を進めていくと、不安は増すばかりです。
そこで、その不安を少しでも解消するべく、国語の最大の得点源、文章題を攻略するための「正しい読解」についてお話ししたいと思います。
「文章を正しく読めるようになるためにはたくさん読書をしなさい」と聞くこともありますが、本当なのでしょうか?
国語がよくできる生徒に読書好きが多いのはたしかです。しかし、だからといって読書をすれば文章読解力がみるみる上がっていくというのは少し違います。
というのは、そもそも「読書」と「読解」、この両者が明確に区別されなければならないものであるからです。そのへんを少しくわしく見ていきましょう。
「読書」と「読解」どう違う?
「読解」とは読んで字のごとく、「文章を読んでその内容を正しく理解する」ことです。
ここでの「正しく理解する」とは、主観ではなく、客観的に、「これはこういう意味だよね」とみんなが同じことを読み解くことです。
「僕はこう思う」と本文中にない持論を授業中に発言する子もいますが、残念ながらテストでは聞かれません。根拠は必ず本文中に求めなければなりません。
いっぽう、「読書」は文字通り「書を読む」ことであり、その人が文章をどうとらえようが、誰からも文句を言われる筋合いはない、つまり、人の数だけ読む内容のパターンがあっても許される、というのが「読書」です。
とはいえ、読んだ本について友達と語り合う場合、あまりにも方向性がズレた読み取りをしていると、話が噛み合わなくなるでしょう。それでも、読書は自由なので、個人のとらえかたも自由です。
ですから、自由な「読書」をいくら重ねても、客観性が要求される「読解」にはつながらない、ということなのです。