【不登校】学校に行けない子どもの居場所とは? 親が知るべき選び方のポイント[専門家3者対談]

おおたとしまさ×井本陽久×相澤樹3者対談2/3「フリースクールの今と選び方」 (2/3) 1ページ目に戻る

司会:今、学校の代わりとなるフリースクールがたくさんできています。おおたさんは著書『フリースクールという選択』(講談社)で、フリースクールを徹底取材されましたが、そもそもどんな場所なのか、どう選べばいいのか、どんな子が合うのかなどを教えていただけますか。

おおた:一般的に、文科省が定めている法律に基づいた学校(一条校)ではない学びの機関のことを、広い意味でフリースクールと呼んでいます。

フリースクールの選び方についてはいろいろな視点があるんですよ。私の本の中でもいろんな種類のフリースクールを取り上げ、5つくらいの観点で分類しています。

まず一つ目は「居場所」か「学び」の場か。子どもたちがそこで1日中、好きなことをやって安心できる場所であることを重視したのが「居場所」。一方で、ここは学ぶところだと「学び」を重視している場所もあります。その学びの意味はすごく広いのですが。

もう一つは「学校っぽい」か「学校っぽくない」か。一般的な学校じゃないにしても学校っぽい環境へ毎日通ってほしいという親御さんのニーズもあります。逆に学校がイヤになった子たちが来る場所なのだからと、学校っぽさをできるだけ漂白したフリースクールもあります。

あと、運営する団体が、個人だったり、不登校の親の会のようなところがやっていたり、大きな通信制高校の付属だったり、経営母体の大きさも違う。

また、子どもたちがどれぐらいの人数で一緒に学ぶのか。フリースクールには大人数のところから、マンツーマンのところまである。大勢がいいか、一人がいいか、子どもによって違いますよね。

あと、元気になったらまた学校へ戻ったり、別のフリースクールとの掛け持ちも可能な中継地点的なフリースクールと、元気になっても一緒に卒業まで学びましょうという継続型の違い。

継続型でわかりやすいのが「オルタナティブスクール」です。オルタナティブスクールは不登校の受け皿というわけではなく、一般的な学校とは違う教育理念を掲げ、その教育に賛同するご家庭のお子さんが通っています。

このようにいろいろありますが、それぞれに長所と悩ましい点があります。

司会:不登校の子どもたちの学びの場を運営されている、井本先生と相澤先生はいかがでしょう。

井本:僕がやっている「いもいもデイクラス」は、月曜から金曜まで通うような学校と同じ形ではなく、好きな教室ごとに入るシステムです。いくつかの校舎があって、好きな曜日に好きな教室へ申し込めます。

学校の学びがおもしろくない、苦しいと、水曜日に「いもいもデイクラス」の数理教室だけ来て、あとは学校へ行ってるという子もいます。

僕が知る範囲では、学校で行われている学びをある程度前提にして、ペースや形を変えているフリースクールも多いと思います。うちの場合は、「そもそも学びってなんだ」っていう考えから入っています。

すでに正解がある問題を与えられ、答えを再生する学びではなくて、自分でああでもないこうでもないって考えながら、自分なりに真理ににじり寄っていくような学びです。教材も授業も全部自分たちでデザインしてやっています。

相澤:花まるAll Inclusive School(以下:アイス)は、「居場所」か「学び」かでいうと、日中は「学び型」でかなり学校に近いやり方をしています。

朝の会から始まって、基本的な計算とか発声とかをみんなで一緒にやる時間があり、午前中は学習指導要領に基づいた勉強をやります。受験を目指している子も多いので学習を進めたり、子どもたちに合わせ個別最適な学びを目指しています。

そして午後2時半になると「ホワイトキャンバス」という名の放課後の時間です。この時間は完全に「居場所型」になります。子どもたちが「外へ行きたい!」と言ったら外へ行って遊びに行くなど、子ども主導でやりたいことをやります。

おおた:アイスは、学校と同じように机と椅子が並んでいて、一番前に先生が立ち、決まった時間割りと10分休憩があったり、ものすごく学校っぽいスタイルなんです。

ただ、始業時間に遅れてきても「遅刻じゃないか!」なんて絶対言わないし、授業中にちょっと喉が渇いたら後ろへ行って水を飲んだり、トイレへ行ったりが気楽にできる。

学校にありがちな、管理したい側の理屈で「誰が歩いていいって言った?」と言ったりするような窮屈(きゅうくつ)さがないんです。ちょっとした遊びの部分を残すことで、一般的な学校はキツくて行けなくなった子たちがこんなに適応できるんだというのはびっくりしました。

子どもをフリースクールに通わせている保護者の方から「勉強は大丈夫なんでしょうか」って質問がよく出てきますが、アイスの授業を見てたら、一般的な学校よりよっぽど効率的に学力が伸びると思いましたね。

一方、いもいもデイクラスは、そういった枠を度外視して、違う次元での学びを追求してますよね。

パソコンに例えるなら、いろんなアプリを入れるとき、従来の学校は決まったインストール方法しかしてなくて、それがうまくいかないケースが多々あった。だけどアイスでは、個別にインストールの仕方を工夫することができている。それで子どもたちもうまくやれている。

いもいもデイクラスは、そもそもアプリをインストールしようとすらしてなくて。子どもたちの思考のCPU(パソコンの頭脳的パーツ)のようなところをどうやったらマックスに働かせることができるかを追求しているんですね。

わが子に合うフリースクールはどう選べばいい?

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