【不登校】学校に行けない子どもの居場所とは? 親が知るべき選び方のポイント[専門家3者対談]

おおたとしまさ×井本陽久×相澤樹3者対談2/3「フリースクールの今と選び方」 (3/3) 1ページ目に戻る

「渡り鳥」のように依存先を増やしていい

司会:幅広いフリースクールの中から、わが子に合った場所をどう探せばいいんでしょうか。

おおた:フリースクールだけじゃなく、中学受験の学校選びも同じだと思うんですけど、親はつい「わが子に合う学校がどっかにある」って思いがちですよね。でもそんなものはないんですよ。

結婚相手を見つけるのと一緒で、どっかに白馬に乗った王子様が現れるとか、僕だけの理想のプリンセスにいつか出会えるはずとか妄想しますよね。でもそんなことはないですよね。

学校もパートナーも最初はいいなと思うところを見つけて惹かれるんだけど、当然、嫌な面もあるんです。だけどそれ以上にいいところを見つけていく努力をお互いにできるか。そこが大事なわけで。

学校選びには正解がないことをまず前提にしなければいけない。それはフリースクール選びも一緒だと思います。

特に不登校の子ならば、その子の状況や今の気持ち、辛さはいろいろ違う。その「場」が合うかよりも、「タイミング」のほうが重要です。だからその子の状況に合わせていろんなフリースクールへ渡り鳥のように行かせてみたらいいんじゃないでしょうか。

水曜日は、いもいもデイクラスへ行く、月・火は頑張って学校へ行く。そして少し元気になってきたら毎日アイスへ行ってみようとか。

「自立っていうのは依存先を増やすことだ」と言いますけど、「ここがベスト」と決めなくてよくて、「こういうときにはここを利用できそう」といつでも柔軟に変えられる場が複数あることが、ものすごく力強いと思います。

井本:まさにそうですね。学校以外の場へ行ってみて、なんかつまんないからいいやって手放すのも自分の感覚じゃないですか。

「これおもしろそう」と手を伸ばす、「もういいや」ってなったら手放して、さらに別のものに手を伸ばせるか。「いいと思うほうをやればいい」を親も子もわかっておくのが、すごく大事って思いますね。

おおた:僕が取材したフリースクールには、地域のフリースクール同士で連絡取り合っているところもありました。

「この子はあっちのフリースクール向きだな」と感じたら、そこを紹介するんです。お客さんの取り合いなどとは考えず、ネットワークとして、子どもをサポートしようって考えてるんですよね。

1つのフリースクールで1人の子どもをずっとカバーするっていうのも結構無理があり、それをやろうとすると、手段が目的化しがち。だからこそ渡り鳥です。いろいろな居場所があるっていうことは、子どもにとっても親にとっても何よりの安心材料になると思います。

相澤:行ける先が多いって大事だなと感じてます。実はアイスにも、いもいもデイクラスと掛け持ちしている子がいるんです。どっちにも居場所があって、やりたいことがあって、イキイキとしていられる。それがすごく大事なことで。

おおた:そう、週に1回だけフリースクール行っていた子が、そのうち「じゃあ週1回は学校にも行ってみようか」となったりするしね。

井本:本当にそうなんです。学校が息苦しい場所じゃなくなったりする子もいるんです。

おおた:居場所が多いと余白ができるから呼吸ができる。学校は毎日6時間あって余白がないけれど、そういう居場所を挟むことによって修復する時間ができて、学校も利用できるようになる。逆説的にこれもあるなと思いますね。

井本:実は今、学校は全てを学校だけでやるんじゃなくって、学校と家庭と、フリースクールなどの外の学び場、この3つが連携して、自分らしく学べるところで学べるようにする方向にも動いてるんですよ。

これが進むと、子どもの居場所がたくさんできる。そうなると「不登校」って言葉もなくなるんじゃないでしょうか。

─・─・─・─・─・─・

第3回は、「親はどうすればいい?」「将来や勉強の不安」について、さらに深くお話を伺います。


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3回目を読む※2026年9月23日より公開

\親の不安を安心に変える、新しい居場所の探し方/

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おおたとしまさ

おおたとしまさ

教育ジャーナリスト

1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。

1973年、東京都出身。教育ジャーナリスト。麻布中学・高校卒業。東京外国語大学英米語学科中退。上智大学英語学科卒業。97年、リクルート入社。雑誌編集に携わり2005年に独立後、教育をテーマにさまざまな取材・執筆を続けている。中高の教員免許、小学校での教員経験、心理カウンセラーとしての活動経験もある。 主な著書に『勇者たちの中学受験』、『子育ての「選択」大全』、『不登校でも学べる』、『ルポ名門校―「進学校」との違いは何か?』、『なぜ中学受験するのか?』など80冊以上。