【中学受験 はじめの一歩】 私立・国立・公立中高一貫 「中学が求める学力」は「何が同じ・何が違う」 〔塾ソムリエが解説〕

「塾ソムリエ」西村則康さんが教える「今、中学受験に必要な力」

西村さんによると、出題傾向の変化により、中学受験で重視される力も変わってきたと言います。「大学入試問題と同様に、読解力や分析力などの『情報読み取り力』が重視されるようになってきました。しっかりとした基礎知識に基づき、『因果関係や物事の関連性を理解できているか』を問う問題が増加しています。

かつては、単に暗記した知識を問う問題が主流でしたが、現在は、特に理科や社会の問題においては、『なぜ、そうなるのか?』ということを答えさせるようなものが増えています」

そして、「情報読み取り力」を磨くには、「身体感覚として理解できているかどうか」が関係していると西村さんは言います。「『今、先生が話していることは、あのときに感じたことと同じだ』と、子ども自身が自分の体験と結びつけて考えられるかどうかということが重要です。それができると、『あっ、なるほど!』と納得することができる。

つまり、いろいろなものを見たり、触れたり、聞いたり、動かしたりする経験を、小さなころからたくさんすることが重要です。そうすることで、子ども自身が自分の頭で考えるようになり、『情報読み取り力』も自然と磨かれていきます」

納得できないまま先を急いでも、同じところで何度もつまずいたり、丸暗記でその場をしのぐだけになってしまったりと、悪循環に陥ってしまいかねません。そうならないためにも、親子で一緒に本を読んだり、動物や自然とふれあったり、公園で友達と思いっきり走り回ったりするなど、普段からさまざまな経験をさせてあげることが大切です。

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