北村裕花の絵本『かけっこかけっこ』制作日記

第33回 講談社絵本新人賞 佳作受賞からデビューまで 前編

※この記事は、講談社絵本通信(2012年)掲載の記事を再構成したものです。
はじめまして。

2011年の講談社絵本新人賞で佳作をいただいた北村裕花です。

ありがたいことにこの度、初めて絵本を出版させていただくことになりましたので、受賞から出版までの流れを書いてみようと思います。

思い返せばはじまりは去年の授賞式。

審査員のうちのお一人、中川ひろたかさんに「一緒に組みたいね。」と夢のようなお言葉をいただき大感激。
私にとってははじめてつくる絵本! どんなストーリーなのかな?
 
中川さんの期待に応えられるかしら? と不安もあったけれど、いざお話をもらって担当編集者わんこさんと三人でイメージを広げていったら「ぽっ」と具体的に絵が浮かんできて、これは楽しんで描ける! とわくわくしてきました。
大まかなラフの次の原寸サイズのラフ。完成イメージを膨らませるために色をつけてみたり。
ラフを見てもらって中川さん、編集わんこさんから「なるほど。そうだな~。」と思うようなご指摘をいただくたびにプロの方々と一緒にお仕事ができる喜びと心強さを感じました。
背景があまり変わらないお話なので、登場人物たちを愉快に描こうと意識しました。
あと少しだ~! と途中経過を撮影。
そして全ての絵が完成!

編集わんこさんに見せたはいいけれど、「あれ、サイズが大きい……」「鬼の金棒、途中から色が違いますね!?」などなど、自分で描いておきながらおかしな点が続出!

……ということで、今回編集わんこさんやデザイナーさん、印刷所の方などにたくさんのご面倒をおかけしてしまったと思います。すみませんでした~! 以後気をつけます!

そんなこんなで、多くの方々のご協力があって本にすることのできる喜びをかみしめている今日この頃です。なんともまとまりのない文章になってしまいましたが、とにかく自分が楽しんで描けたので、それがみる人(こども)達にも伝わればいいなあと思います。

こちらができあがった絵本です。

『かけっこ かけっこ』
文:中川ひろたか 絵:北村裕花 講談社

種村有希子さんの絵本!

大好きなバナナを両腕いっぱいにかかえたゴリラさん。
ずんずん歩いていると、バナナをじーっと見つめるサルさんたちに出会います。やさしいゴリラさんは、サルさんたちにバナナをわけてあげるのですが、とうとうバナナが残り一本になってしまいました。

『ゴリラさんは』
作:北村裕花 講談社