2022.03.10

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子どもの人間関係 園でのトラブル&親の対応など対処法を専門家が伝授

西坂小百合教授に聞く「6歳までの子どもの人間関係」#3【友達とのトラブルQ&A】編

共立女子大学家政学部児童学科教授:西坂 小百合

子ども同士のトラブル。珍しいことではありませんが、対応を知っておくと安心です。 写真:アフロ

「子どもの人間関係」の専門家・共立女子大学家政学部児童学科教授の西坂小百合先生に聞く「6歳までの友達付き合いで大切なこと」。

第1回・第2回では、0歳〜6歳までの子どもの友達の関わり方、親の見守り方を発達段階別に教わりました。第3回は、子どもと友達の間で生じたトラブルの対処法を伺います。
全3回の2回目。#1を読む#2を読む

園のトラブルは保育士や先生に相談を

幼稚園の教員免許を持つ西坂先生。まずは幼稚園や保育園で起こるトラブルについて聞きました。

Q1:幼稚園(保育園)で、子どもが友達を叩いてしまった。相手の親や園、子どもへの対応を知りたいです。

A1:幼稚園や保育園によって対応は異なるものの、基本的に、園で起きたトラブルは園の責任と考えることが多いです。また、子どものトラブルは前後の文脈も関わってくるため、片方だけが悪いとは言い切れない可能性があります。

相手の子がケガをしていない場合、園からその子の親御さんには、あえて連絡しないことも。相手の親御さんへの対応については、園に相談するといいでしょう。

お子さんへの対応は、ケースごとに異なります。園から報告を受け、その時点で一通りの対応が済んでいれば、あえてお子さんに話す必要はありません。子どもへの注意は即時的であることが重要で、時間が経ってから話しても子どもはピンと来ないからです。

子どもから「今日○○ちゃんを叩いちゃった」と打ち明けられたときも、まずは「話してくれてありがとう」と報告できたことを受け止めてください。それから、叩いた理由やそのときの気持ちを聞きます。

このときに、叩いたことを叱ったりせず、子どもが悪いと思う気持ちを認めることが大切です。叩いた経緯を知りたい場合は、園に確認しましょう。

子どもの発達段階に合わせた対応を

続いて、子ども同士で起こりやすいおもちゃのトラブルに関する質問に回答してもらいました。

Q2:子どものおもちゃを取ろうとするお友達がいます。どのように伝えたらいいですか。

A2:お子さんやお友達の年代によって対応が異なります。0〜2歳ごろの子どもには「これは自分のもの」「これは友達のもの」という物の所有の感覚が身に付いていないため、目の前のものに手を出すのは自然なことです。

物に対する執着も強くないので、「このおもちゃが欲しいんだね。でも、こっちもおもしろいよ」と、お友達が新たに興味を持ちそうなおもちゃや遊びなどを提示するといいと思います。

3〜4歳ごろになると、「他人のものを相手の許可なく取ってはいけない」と理解が進んでいるはずです。それでも取ろうとする場合、大人なら「今は使っているから後でもいい?」と言葉を選びながら嫌な気持ちを伝えられますが、この年代の子どもにはまだ難しいです。

取られた方の子が「ダメ!」「イヤ!」と拒否するなどしてトラブルに発展してしまうケースも。こういう場合は、親御さんがお子さんに代わって「ごめんね。これは今この子が使っているから、違うおもちゃを使ってほしいな」と伝えてみてください。

5〜6歳ごろになると、おもちゃを使いたいときに「貸して」と言えるようになったり、トラブルが起きても子ども同士で解決できるようになったりします。

解決しなければ先生や親に言いに行くなど大人の手を借りることもできます。対応は子どもたちに任せて、親御さんは見守りに徹してもらうといいでしょう。

「『ダメ!』や『イヤ!』であっても、3〜4歳くらいの子どもが『私のおもちゃを取らないで!』と主張ができるのはいいことだと思います」と西坂先生。大人の常識を子どもに押し付けてはいけないと痛感しました。 Zoom取材にて

子どもの遊びへの介入は慎重に

友達と楽しく遊べていない様子が見えると、親としては気になってしまいます。西坂先生はどのように考えるのでしょうか。

Q3:自分の子どもだけ友達とうまく遊べていないようで心配です。

A3:この場合、想定できるパターンが2つあります。1つは、お子さんがひとり遊びに夢中になっている場合で、もう1つは友達と遊びたそうにしているのに輪の中に入っていけない場合です。

まずは前者の場合。私は、ひとりで集中して遊べるのはとても重要なことで、お子さんには一人遊びの時間も大切にしてほしいと思っています。親御さんも気にしすぎなくて大丈夫ですが、幼稚園や保育園の様子が気になる場合は、先生に普段の様子を聞いて教えてもらうといいですね。

後者の場合、友達同士でルールの共有や自分の思いを伝えて相手に理解してもらうなどのやりとりが難しいことから、お友達とうまく遊べていない可能性もあります。

このときに、大人が子どもたちに向かって「仲良くしなさい」と声をかけるのはおすすめできません。「仲良くする」は抽象的すぎて、言われた子どもたちはどうしていいかがわからないからです。

親御さんは、「次は◯ちゃんがやる番なんだね」「ここが台所なんだね」とルールの共有や状況説明をして、お子さんが仲間に入れるように手助けするといいと思います。

ただ、子どもが仲間に入れないときに、つねに親御さんが手助けする必要はありません。「ごっこ遊び」に大人が入り込んでしまうなど、子どもの遊びを壊してしまうようなことは、極力避けてほしいですね。

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