2021.07.16

「私は子どもを愛せない」 何もかも手に入れてきたセレブママの悲痛な叫び

「こども教室」に入会した親子の悩み 通室してからどう変わったか?

著者:講談社こども教室

100組の親子がいれば、100組の子育てがあります。
たくさんの子どもたちと向き合い多くの経験を重ねて来た「講談社こども教室」のベテラン講師・池山尚子さん(略歴は記事末)が、「子育てと学びのヒント」をお伝えします。今回のテーマは「“子どもを愛せない”と語るお母様の悩み」。Kさん、Hくん親子のお話です。

入学準備基礎クラス レッスン風景(使用教材 あいうえお絵カード)

※登場する人物は仮名です。プライバシーに配慮し、一部を修正しています。
「講談社こども教室」は0歳から未就学児対象の「幼児知育コース」、小学生を対象とした「国語・算数コース」、0歳からの「英語・英会話コース」を運営する知育教室です。

親はどんな思いでこども教室入会を決めるのか

「こども教室」に通うと子どもはどんな風に成長しますか? 何が身につきますか? と尋ねられます。

知的好奇心を刺激するので、学ぶことが楽しくなり、意欲的になります。
物事に集中して取り組めるようになります。
子どもたちの意欲や能力が向上することは間違いありません。

実は、もうひとつ意外と見落とされがちな大切な効果が実感できるはずです。

ある親子の入会時の様子

Kさん親子が「2歳児クラス」に入室してきたのは、初夏のある日のことでした。お揃いのブランドのTシャツを着て、お母様は、爽やかな笑顔、息子のHくんは、身体が大きく、しっかりした印象です。お母様は、クラスメートのお母様方ともすぐに打ち解けた様子で他のお母様方とにこやかに挨拶をかわされます。

Hくんの表情が硬いのは、緊張のせいでしょうか。
2歳児であっても、レッスンは、講師と子どもたちだけで行います。お母様方が退出されたあと、子どもたちは、講師の指示に従って、その日のテーマに沿ったレッスンを受けます。

Hくんも、「2歳児クラス」で4名〜5名のクラスメートと一緒に、50分の授業で色や形の識別、挨拶、片付け等の社会ルール等を学びます。

2歳児にとっては、子ども同士仲良く遊ぶことはまだ難しく、講師の仲立ちによって、一緒に遊んでいる雰囲気になるのです。ところが、Hくんは、他の子が楽しそうにしている時に限って、わざとジャマをしたり、困らせたりするような行動をとります。

そんなことが繰り返されたある日、講師が、いつもより少し厳しい声で、「Hくん!」と呼びかけたとたん、Hくんは自分の腕で自分の顔をガードするような姿勢になり、
「ごめんなさい。ママ叩かないで!」
と叫んだのです。

普段の生活の中で、Hくんは、悪いことをしたら叩かれている、と確信した出来事でした。しかし、実際に叩かれている現場を見たわけではありませんし、Hくんの身体に虐待のしるしがあるわけでもありません。

にこやかなKさんの日ごろの態度から、虐待という言葉を出しただけで、プライドを傷つけてしまうことは疑いがありません。しかし、緊急性はないにしても、なるべく早くこの状態を改善しなくてはいけないことは明白です。

「講談社こども教室」 五感発達クラスレッスン風景
出席調べ(名前を呼ばれたら、元気に返事をする)

子育てをするお母様を取り巻く環境と悩み

そこで、まずは、Kさんと信頼関係を築くことに力を注ぎました。教室でのHくんの様子、頑張ったこと、出来るようになったことに焦点をあてて伝えます。

お母様と一緒に喜んだり、悩んだりする中で、とうとうお母様が堰を切ったように心の内を明かされました。

自分は子どもを愛せない。

高学歴、高収入の男性との結婚のため、積み重ねてきたキャリアを捨てた。
後継ぎを産むことがプレッシャーだった。
Hが生まれて解放された、と思ったのもつかの間、今度は、一人っ子はわがままだ、落ち着きがないのはしつけが悪いからだと姑・夫から責められている。
今まで進学も就職も結婚さえも努力して手に入れることができたのに、子育ての正解を誰も示してくれない。
自分の親にさえ、心配をかけるから相談ができない。
誰にも相談ができず、ずっと孤独だった。
子どもを叩いてしまう自分は悪い親だとわかっているが、感情を抑えることができない。

そう、涙ながらに話されたのです。

お母様の変化が子どもの変化につながる

子育てに正解はありません。

100組の親子がいれば、100組の子育てがあるのですよ
皆、迷いながら、それでも、必死に子育てをしているのです。

クラスメートのお母様たちだって、講師たちだって。
そういうメッセージを伝え続けました。

教室で、悩みを吐き出して、講師や他のお母様たちと気持ちを分かち合うことで、お母様は自分を取り戻したようでした。

お母様の表情が明るくなり、他人の評価を気にすることなく、自分の物差しで子どもに向き合うことができるようになるにつれ、Hくんの表情が豊かになり、よく笑うようになりました。

KさんもHくんの成長を楽しめるようになり、「初めて子どもを可愛いと思えるようになりました」と言うほどになりました。

こうして、親子が精神的に安定することが、子どもの健やかな成長を促し、親は子育てが楽しい、と思えるようになる。これが、教室に通って実感する大きな効果なのです。

「講談社こども教室」 
たのしいから伸びる!あそんで、まなび、かんがえる教室

池山 尚子 講談社こども教室 講師歴25年
教室で出会った親子の心に寄り添い、楽しいレッスンを心掛けている。
元気な子、個性的な子の指導を得意とする。

著者紹介

講談社こども教室

0歳から12歳まで、 "遊びながら学び考える"経験をたくさん積む場所「講談社こども教室」を全国で運営しています。幼児知育だけでなく英語や国語・算数を通じて、一生を支える学びの基礎を身につけるお手伝いは、経験豊富な講師陣が担います。長年にわたる「どの子も伸ばせる」経験をもとに、お母さまお父さまの気持ちに寄り添い、お子さまの将来の可能性を広げる視点で記事をお届けします。
講談社こども教室
https://www.kodansha-pal.co.jp