2021.08.12

子どもの作文苦手を克服!「サボテン作文」と上手くなるコツ集

「絵日記」〜「読書感想文」をラクに書くちょっとしたテクニック

著者:講談社こども教室

小学校新指導要領「国語」では、自分の考えを伝えるために、整理して文章を書く力を重要視しています。

しかし、意外にも学校で作文指導に十分時間が割かれているとは言えません。

絵日記から読書感想文まで使える、講談社こども教室で指導している作文のちょっとしたコツを、国語・算数コース指導歴14年の吉田久子先生(略歴は記事末)がお伝えします。

1.言葉をつなげる「サボテン作文」

教室では、3歳児クラスからお話しづくりやスピーチをさせています。小学生クラスでは、さまざまな生活の中の出来事について書きながら、作文の書き方を学びます。

低学年では、文の組み立てを考えながら書くことは、なかなか難しいものです。

「朝学校からバスに乗りました。そして水族館に着きました。〜」のように、時系列に出来事をだらだら書き連ねてしまうパターンに陥りがちです。

そこで、教室では「サボテン作文」で書かせています。

「サボテン作文」とは、サボテンの親株からポコポコと子株がでている姿をイメージした作文メモをもとに、文にする方法です。

右端の「サボテン作文」メモをもとにした1年生の作文

まず、真ん中の親株にあたるところに、テーマや、いちばん伝えたいことを書き入れます。

そこから連想したり、くわしくしたりする言葉を子株に書き、どんどん子株をつないでいきます。

例えば、ザリガニについて書く時、「ザリガニ→ザリガニつり→池」「ザリガニ→はさみが大きい→赤色」のようにサボテンにメモしていきます。

それをつなげて、「池でザリガニつりをしました。つれたザリガニを見たら、大きなはさみをもっていて、赤色でした。」と文にしていくのです。

2.声かけとつなぎ言葉で文をふくらませる

サボテンがどんどん繋げられない子どももいます。そういう時は、内容をふくらませるための声かけをします。

「どうしてそうなったの?(理由)」
「その後どうなったの?(結果)」
「どんなことを言ったの?(会話)」
「どんな色・味・音・におい・感触だった?(五感)」
「どんな気持ちだった?(感情)」
「ここ、もっと詳しく知りたいな(修飾)」などなど。

共感を含んだ声かけややり取りがポイントです。そうすると、子どもの中から言葉が出てくるのです。

やり取りを重ねながら子どもの中から言葉を引き出す

さて、サボテンがあちこちに伸びていったところで、今度は刈り取りです。

ふくらませた材料をもとに、どのような順番で書くか、構成を考えて整理していきます。

文の構成というと、「起承転結」や「はじめ・中・おわり」が浮かびますが、低学年の生活作文では、まずいちばん伝えたいことから書くと、印象に残る文になります。

子どもたちは、教室に来るなり口々に「今日カブトムシが脱皮した!」「昨日この靴買ってもらった!」と報告してくれます。

この開口一番の言葉をサボテンの真ん中に据えて、よく作文を書いてもらいました。

いちばん伝えたい核になる文に続けて、「なぜかというと」「それから」「すると」「けれども」などのつなぎ言葉を使うと、内容を前後に拡げていくことができます。

3.会話文や擬声語で作文がイキイキ

たとえば、夏休みの思い出を絵日記や作文にするときなどは、サボテンの代わりに写真に付箋をする方法がおすすめです。

漫画の吹き出しの感覚で(吹き出し型の付箋もあります)ペタペタ貼っていきます。そして、サボテンをつなげるのと同様に、付箋の言葉を組み合わせます。

吹き出しの付箋を使って「サボテン作文」風に言葉をつなげる

このとき、「あまーい!」「ガブリッ、シャクシャク、ジュワーッ」と会話文や擬声語を使うと、俄然文章がイキイキしてきます。

書き出しに使うと、インパクトがあって惹きつけられます。

4.作文がキラリと光る2つのポイント

作文の締めは大切です。
「おもしろかった」「楽しかった」「うれしかった」「おいしかった」など、ぼんやりした言葉でまとめてしまうと、一気に薄い文章になってしまします。

「どんなところが面白かったの?」とやり取りしながら、少しずつサボテンを継ぎ足していくと、しっかりと自分の言葉で中身を表現できるようになります。

「わくわくした」「涙がこぼれた」などの感情を表す言葉に言い換えられると、ぐっと気持ちが伝わります。

このような表現は、絵本や本をたくさん読んでいるお子さんの方がすっと出てくるようです。

読書感想文も、付箋使いやサボテン作文で応用できます。キラリと光る感想文を書くには「自分」に引きつけて書くことです。

本のあらすじや単なる感想を書くのではなく、なぜその本を選んだのか、その本で何かを得たり気づいたりしたかを書くと、よいものになります。

中学年のとき、作文が苦手で文章がふくらんでいかない子がいました。野球をしていたので、それを引き合いに出すようにしたら、少し楽に書けるようになりました。

「自分にも似た経験がある、自分はこうだった」
「もし、自分が同じ立場ならならこうする」
と、自分に引きつけて考えると、イメージを言葉にしやすくなったのです。

そうやって、作文を重ねていくうち、比較したり客観的に見たりする力が付き、高学年では批評文も書けるほど得意になっていきました。

成長につれ文章を書く必要性は高まっていきます。サボテン作文で言葉をつないでいくのは、低学年でも手軽に取り組めます。整理しながら書くのに役立つおすすめの方法です。

吉田 久子 講談社こども教室講師歴14年
国語・算数コース講師を務め、オリジナル教材の開発に携わる。レッスンでは、子ども自身の気づきを引き出す言葉がけや対話を大切にしている。

著者紹介

講談社こども教室

0歳から12歳まで、 "遊びながら学び考える"経験をたくさん積む場所「講談社こども教室」を全国で運営しています。幼児知育だけでなく英語や国語・算数を通じて、一生を支える学びの基礎を身につけるお手伝いは、経験豊富な講師陣が担います。長年にわたる「どの子も伸ばせる」経験をもとに、お母さまお父さまの気持ちに寄り添い、お子さまの将来の可能性を広げる視点で記事をお届けします。
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