2021.07.31

松尾依里佳 母譲りの“超ポジティブ思考”が実現させた「京大現役合格」

ヴァイオリニスト・松尾依里佳さん「私の“音育”」#1 ~音楽と学業の両立編~

寄稿家:松尾依里佳

「楽しい記憶しかない」と幼少期を思い返しながらニコニコと語ってくれた松尾依里佳さん  写真:小林岳夫

音楽家でタレントの松尾依里佳さんは、プロのヴァイオリニストとしてステージへ立つ一方、2010から2017年まで関西の人気テレビ番組『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)に3代目秘書として出演するなどマルチに活躍。京大卒の才女としても知られ、クイズ番組にも多数出演されています。
音楽家になる夢を見事に叶え、今では1児のママでもある松尾さんはどんな環境で育ったのでしょうか。

幼稚園になじめなかったけど音楽があった

松尾さんは大阪府交野市出身。二人姉妹の長女として生まれ、音楽好きなお母さまのもと、幼い頃からさまざまな習い事をしてきたといいます。

「実は集団行動になじめなくて幼稚園を1年で中退してしまったんです。それもあって、公文式やピアノ、ヴァイオリン、水泳など母は習い事をたくさんさせてくれました。なかでも、楽器は指を動かしたり、音を聞いたりとさまざまな感覚を総動員するので脳の発育にいいだろう、ということで音楽をさせたい想いが強かったみたいですね。胎教でも音楽をよく聴かせてくれていたようです。クラシックから童謡までいろんなジャンルの曲に触れるなかで、自然と音楽が好きになっていったんだと思います」

明るくはつらつとした印象で、多くの習い事をしてきたきっかけをあっけらかんと語ってくれた松尾さん。ご自身では幼少期をどう感じていたのでしょうか。

「昔はおっとりした子だったようです。母の話によると、習い事でほかのお子さんたちがササっと器用にやってのけることを、私は自分のペースでゆっくりとやるタイプ。スロースターターだったと自覚していますが、気長に待ってくれる母だったからこそ、ここまで一歩ずつ進んでこられたのかなと思っています。ただ、成長するにつれて、いつからかせっかちな性格になりましたね。今では私がおっとりした性格だったと信じる友人はいないかもしれません(笑)」

幼少期を振り返り、思わず笑みがこぼれる松尾さん。  写真:小林岳夫

習い事では先生から厳しい言葉をかけられることが多かった分、家庭ではニコニコ笑っていたお母さまの記憶が印象的だと語ります。

「母はとにかく明るくニコニコしている人。しつけという面では細かい注意をするときもありましたが、当時を思い返すと怒られた記憶よりも笑っている記憶の方が残っています。

どんなことでも楽しめるタイプといいますか、なんでも『やればできるよ!』という超ポジティブ思考の持ち主。なので、失敗したときを考えて物事を決めることはありませんでした。『いいことばかりじゃないけど、悪いことばかりでもないよね!』という前向きな気持ちで人生を楽しめているのは母のおかげなので、感謝しています」

ポジティブ思考ゆえの弊害もあると笑う松尾さんですが、幼少期からのお母さまの教えが人生の岐路に立ったときには役立ったといいます。では、こうして多くの習い事をしてきたなかで、結果的に将来の職業となるヴァイオリンを選んだ決め手はなんだったのでしょう。

「不思議と小さいときからヴァイオリンが生活の核でした。単純に“好き”だったからだと思うのですが、幼心にヴァイオリンが一番大切だと感じていましたね。『新しい音が出せるようになった』とか『好きな曲が弾けるようになった』とか、ひとつひとつの工程が楽しくて、練習がイヤになったことはありませんでした」

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