2021.01.15

〔検証〕「読書は子どもの教育に良さそう」 本当はどうなのか?

「読書教育」をオンラインの習い事にしたYondemyが「読書と教育」を解説

寄稿家:Yondemy

「読書は子どもの教育に良い」と言われていますが、本当なのでしょうか? 現役東大生を中心にオンライン習い事「ヨンデミーオンライン」を運営する読書教育の団体・Yondemyが「読書と教育」の関連性をファクトデータに基づいて解説します。

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写真:RRice/イメージマート

読書教育のYondemyです。

私たちYondemyは、現役東大生のメンバーを中心として子どもが読書好きになるオンライン習い事「ヨンデミーオンライン」を運営しています。ここでは「読書と教育」というテーマでお話ししていきます。よろしくお願いします!

早速ですが、質問です。

あなたはお子さんに、
「もう少し本を読むようになって欲しいな」
と感じたことはありませんか?

それもそのはず。実は今、日本中で子どもたちの読書離れが加速しているんです。

その原因の一つに、インターネットの普及が挙げられます。

2015年から2020年の間に、小学生の1日あたりのインターネット利用時間は約40分も伸び、ついに120分を超えました(内閣府「青少年のインターネット利用環境実態調査」2015年〜2020年版による)。

15時に学校が終わり、22時ごろに寝るという生活を想定すると、7時間ほどしかない可処分時間の中で、2時間以上がゲームや動画視聴へと費やされているのです。
これは驚異的な数値です。

「ゲームや動画視聴に費やす時間の少しでも、本を読んでくれたらいいのに」
そう思うのも当然です。

しかしそもそも、なぜ子どもたちには読書が必要なのでしょうか?
読書には、どんな教育的効果があるのでしょうか?
そして、どうすれば読書の教育的効果をより高めることができるのでしょうか?

この記事では、まず読書の教育的効果について解説し、その後に読書の教育的効果を高めるポイントと、本選びの際に気をつけるべき点を紹介します。

読書量 偏差値の伸びに2.6ポイントの影響が

読書と学力の相関関係について2つの観点からお伝えしていきます。

次項の「読書の教育的効果」の数値は、「小学生の読書に関する実態調査・研究」(2018年版 ベネッセ教育総合研究所)から、読書がもたらす学力や学びの姿勢への影響についての研究結果です。

①【読書量と学力の変化との関係】読書量が多い子ほど学力が向上

図1は、子どもたちを読書量別に分けた上で、4教科の偏差値平均の推移を分析したグラフです。

たくさん本を読んでいる子どもと、本を読んでいない子どもとの間には、偏差値にして2.6ポイントもの差が生まれることが分かりました。

偏差値を2.6ポイント上げることがどれだけ大変なことかを想像すると、読書の教育的効果の高さが見えてきます。

偏差値は『進研ゼミ』の「実力診断テスト」4教科成績の結果。【事後】p.<0.001 (分散分析)

②【読書量と各教科の学力との関係】読書が地頭を鍛え、学力の基礎を整える

図2は、先ほどと同様に子どもたちを読書量別で分けた上で、4教科それぞれの偏差値平均の変化を分析したグラフです。

驚くべきことに、4教科全てにおいて、本をたくさん読んでいる子どもの偏差値の方が伸びています。

読書で国語力を伸ばす! という文言は良く聞きますが、実は、読書で養われる国語力こそが4教科全ての土台となる「地頭」の正体なのです。

・偏差値は、『進研ゼミ』の「実力診断テスト」各教科成績の結果。【事前】(2016年8月)の偏差値を起点にして、読書量を計測後【事後】(2017年12月)の偏差値の変化を示した。 ・国語、算数、理科、社会のいずれもp.<0.001 (分散分析)

現役東大生に聞いた「読書をしていて良かったこと」

上記のように研究を通して、読書の教育的効果は数値的に示されています。しかし、具体的には読書を通してどのような力が身につくのでしょうか?

今回は実際に、筑駒(筑波大学附属駒場高等学校)卒現役東大生のYondemyメンバーに、幼少期の読書が自分の学力向上に役立ったと感じる場面について聞いてみました。

読書が学力の向上に一役買っていたという実感は、読書によって育ってきた本人たちにもあるようです。

理系に必須なのは「想像力」?

YondemyでAI開発を担当している東大理学部3年生のNくんによると、読書によって培われた想像力は、特にNくんの理系分野における学びに役立ったとのこと。

算数も数学も、理系の学問の基本は「物事を抽象化して考えること」だとNくんは言います。

算数や数学では、ある出来事を「数式」などを用いて抽象化することによって、法則性などを探究していきます。抽象的な数式から具体的な事象を捉えるために必要となる想像力は、小説を読むことによって培われてきた実感があるのだそう。

「小説で書かれていない部分で、このキャラクターは何をしているんだろう?」

小説を読んでいる最中の、そんな登場人物への想像が、数学と似ている部分があるのだとか。

数学の公式を応用するということは、
「当てはまっている事例を踏まえて、違う部分ではどのように当てはまるのかを想像する」
ということ。
つまり、見えている部分から見えていない部分を想像するという点で、読書中の想像と共通しているのです。

「読書」を制する者が「プログラミング」も制するのはなぜか?

「過去の人間が既に考えたことをインプットする」のが学問であり、それは読書にもプログラミングにも当てはまる部分が多い、と言うのはYondemyでエンジニアリーダーをしている東大工学部3年のKくん。

国際情報オリンピック金メダリストでもあるKくんのプログラミング技術は、過去の読書経験に下支えされている、といいます。

プログラミングにおいて必要とされるのは人に正しく伝わるようにソースコードを書くことです。

「人に正しく伝わるコード」を考えることは、日本語において伝わりやすい文章を考えることと同じだと。

また、大量の情報を素早く集めることもプログラマーとしては重要であり、それはまさしく「文章を読む」という行為を繰り返して培われた読解力があるからこそ可能なことである、と感じているそうです。

両メンバーとも、幼少期の読書によって培われてきた読解力、想像力をはじめとする能力が彼らの現在の活躍を支えている、という実感があるようです。

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