

2025年に芸能生活20周年をむかえるだいすけお兄さんは、劇団四季出身。ダンス未経験から合格し、「ライオンキング」などの舞台に立ちました。当時の劇団四季の団員としての日々を振り返ってもらいました!
まさかの合格! 劇団員の一日

郵便でした。ほんと、まさかダンス素人の僕が合格するなんて! 思ってもみませんでした。
入団試験には実は100人単位で受かるんです。といっても、1000人単位で応募があるので。100人合格して、半年で大体半分の50人ぐらいになる。競争社会ですね。
入団してすぐ、1週間後にオーディションがありました。浅利圭太先生から急遽「全員の声を聞きます」と言われて。その人の声や身長などを見て、それぞれ作品に振り分けられるんです。僕はそのとき、ファミリーミュージカルに振りわけられて、『ジョン万次郎の夢』などの作品で1年間全国ツアーに行きました。
ツアー中は、バレエやジャズなどのダンスのレッスンなどをしながら公演します。
ただ僕は新人なので、自分のダンスの精度を上げるというより、例えば洗濯とか掃除とか。その、公演がちゃんと成り立つように裏で準備するのが大変だった、というか……。それがまず新人の役目なので! バレエとかジャズとか上達したかっていうと……
先輩方は、僕のような素人が入ってきちゃったことに「お前すげえな」って驚いてましたからね。
「お前みたいな奴いねえよ!」ってあたたかく迎えてくれました。いろいろなことを教わりましたが、体をうまく使う方法、体の上手な見せ方があることを知りました。
僕、全然踊れないのに、ダンスナンバーの途中で、ステージのど真ん中で足をあげなくちゃいけない場面がきてしまったんです。3人で踊って、なぜか僕の枠が真ん中。舞台のど真ん中で足開けなきゃいけないんですよ。「なんで僕が!」と思って。
すると、先輩から「だいすけ、お前の体はすぐには柔らかくならない。だけど、足が上がってるように見せることはできる」と言われました。
体の上手な見せ方、動き方をおしえてくれたんです。
足をあげる瞬間にあげてないほうの足、軸足をちょっと曲げるんですよ。一瞬です。反対の足をクイッて下げる。そうすると、上がるんですよー。正確には、上がっているように見える。
僕は体を柔らかくすることはできなかったけど、その上がって見える方法を教えてもらって、なんとあの浅利先生の前でも足を上げられたんです。いや、もう必死でした。……先生からは何も言われなかったけど。
歌を遠くに飛ばす

劇団四季の先輩方の存在です。
劇団に残って活躍し続けるのは大変なんです。半年で半分メンバーがいなくなっちゃう。どんどん少なくなっていく中で、何十年って残ってる劇団の先輩たちは何で残ってるのか? やっぱり人を惹きつける魅力があるんですよね。
皆さんの歌は、僕が子どものころから大学までずっと学んできた合唱とは全然違った。一人で魅せていく歌なんだということを感じました。
「ライオンキング」で僕は「シンバになりたい」って言ってたんです。なんでかね、口だけは大口たたけて。すぐ「やりたい」って言っちゃうんですよ。それを聞いた先輩が、僕の歌を聞いてくれて、「ここはこうやって歌うといいよ」とアドバイスをくれる。皆さん、すごく優しい方たちばかりでした。
その中で、印象の残っているのは、喉を開くとかそういう技術的なことじゃなくて、「だいすけ、歌を遠くに飛ばすんだ」と言われたことです。
ミュージカルって「お芝居の中で急に音楽が始まる」って思われる方もいるかと思いますが、「感情が動くから歌になるんだ」と先輩方に教わりました。
「なるほど!」と思いました。
合唱は歌があって、そこから歌い手の心情を作っていくけど、ミュージカルは逆。中身があって音が始まる。まずどんなシーンなのか。この気持ちを表現するために、なぜ歌があるのか。歌に入る前にどんな気持ちを作るのか。メロディーと歌詞をどう届ければいいのか。
ただ歌を歌うのではなく、いろいろなことを考えて感じて歌う。劇場の最後列にいる観客はもちろん、その先にも届くように、思いを込めて歌を飛ばす。劇団四季の先輩方からは、本当にいろいろなことを勉強させてもらいました。
次回、「『おかあさんといっしょ』オーディションは終わっていた!?」をお楽しみに☆
「NHKのおかあさんといっしょ2025 ふゆ号」発売中

定価:1650円(税込み)/講談社
げんき編集部
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「いないいないばあっ!」と、幼児向けの絵本を刊行している講談社げんき編集部のサイトです。1・2・3歳のお子さんがいるパパ・ママを中心に、おもしろくて役に立つ子育てや絵本の情報が満載! Instagram : genki_magazine Twitter : @kodanshagenki LINE : @genki
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