「おかあさんといっしょ」オーディションは終わっていた!? 【横山だいすけさんの挑戦】

「おかあさんといっしょ」第11代目歌のお兄さん、横山だいすけさん【連載インタビュー「歌力」】#3

げんき編集部

横山だいすけ
横山だいすけ
1983年5月29日生まれ。千葉県出身。2006年に国立音楽大学音楽学部声楽学科を卒業。幼いころから歌が好きで、小学校3年生から大学卒業まで合唱を続ける。劇団四季時代は『ライオンキング』をはじめ数々の舞台に出演。2008年4月からNHK Eテレ「おかあさんといっしょ」の11代目「うたのお兄さん」となり、番組史上歴最長となる9年間務めた。現在は、舞台・声優など幅広い活動を続けている。
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NHK Eテレの『おかあさんといっしょ』第11代目歌のお兄さんを務めた横山だいすけさんは、2025年に芸能生活20周年! ダンス未経験から劇団四季に合格し、「ライオンキング」などの舞台に立ちました。

ただ、ずっと夢だった「『おかあさんといっしょ』のオーディションがすでに終わっていた」という晴天の霹靂に見舞われます。そのときだいすけお兄さんは? 夢をかなえた人生の軌跡を語ってもらいました!
第11代目歌のお兄さん、横山だいすけさん【連載インタビュー「歌力」】
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「夢」への問い合わせ

──劇団四季のステージに立ちながらも、NHKの「おかあさんといっしょ」のお兄さんになる夢はあきらめていなかったでしょうか?

はい。ずっと歌のお兄さんになりたいという思いはなくなっていませんでした。

高校2年生のときから、NHKに電話で問い合わせていたんです、「オーディションありませんか?」って。そのあとも年に2、3回、家の電話からかけてました。「お忙しいところすみません」とか精一杯気をつかって。でも、いつもそっけなく「ありません」と言われて、「あ、まただめだった」で終わっていました。

一度だけ、スタッフの方の内線につないでいただいたことがあったんです。

その方から、「どのくらいなりたい? どういう気持ちなんですか?」と僕の本気度をきいてくれたんです。もうびっくりしました! 

「闇雲に電話してもあのダメなんだよ。だいたい夏ぐらいに次のオーディションをやるか、やらないかが決まるから、その時期に電話すればわかるかもしれないよ」と教えてもらいました。

電話の相手がどんな人だったかとか、覚えてない…… あのときの方、すみません! ありがとうございます。つながってお話を聞けた! 情報をもらえた!っていうことに有頂天になって、もう頭真っ白でした。

番組のオーディションは、毎年あるわけじゃないんですよね。現役のお兄さんの引退が決まったらオーディションが行われる。

それから、大学生になってからも、劇団四季に入ってからも毎年夏にはNHKに電話していました。

オーディションが、あった

劇団四季2年目の夏、大学の後輩から電話がかかってきました。

「今日、オーディションあったみたいです」って。

え? 僕は「ライオンキング」のツアー中でした。

「『おかあさんといっしょ』のオーディション、今日あったみたいです」って。

後輩は、「先輩、劇団四季ですごい頑張ってるし、オーディションがあったことを先輩に言ったら、気持ちを惑わせてしまうかなとも思ったんですけど、あとでどこかで耳に入るかもしれない」と思ったと。

毎年夏にはNHKにオーディションがあるかないか、問い合わせていたのに。たまたまその年だけ電話しなかったんですよ。劇団四季の出演で忙しくしてて終わっちゃった。

終わったんですよ。「オーディションがあった」ってことは、僕はそのオーディションに参加できなかった。

24歳でした。今お兄さんになれなかったら、次のオーディションは? 5、6年後? 僕もう30になっちゃう。もうお兄さんになれない。嘘だろう。ずっと「歌のお兄さんになりたい」って思ってきたのに。
ショックを受けるだいすけお兄さんの背中を押したのは?

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