ブルーナさんの絵本の登場人物たちは、基本的に正面向きに描かれています。それは読んでいる子どもたちと目があうようにするためだと、ブルーナさんは話します。
「うれしいときにも悲しいときにも目をそらすことなく、読者の子どもたちと正直に対峙していたいという気持ちのあらわれなのです。(中略)ぼくの絵本にとって、安心感はとても重要です。そして読者に対してはいつも正直でありたいと考えています。」
どんなときも変わらず、絵本のなかで子どもたちを待つミッフィーは、「うれしいときも悲しいときも」たくさんの人の心に寄り添ってきたことでしょう。ミッフィーの目線には、子どもの心を正直に受けとめる力が備わっているのです。
山口 真央
1986年東京生まれ。編集者・ライター。幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」の編集や、キ...