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「この人は、どんなふうに育ってきたんだろう」
今現在、活躍する著名人たちの、自身の幼少期~子ども時代の思い出や、子ども時代に印象に残っていること、そして、幼少期に「育児された側」として親へはどんな思いを持っていたのか、ひとかどの人物の親とは、いったいどんな存在なのか……。
そんな著名人の子ども時代や、親との関わり方、育ち方などを思い出とともにインタビューする連載です。
今回は、女優、エッセイスト、コメンテーターとして幅広く活躍されている本上まなみさん。2025年10月31日(金)より公開の『映画 すみっコぐらし 空の王国とふたりのコ』の優しく温かいナレーションも話題です!
目次
\映画のシーン画像たっぷり/
絵本同日発売
毎夏の祖母の家での経験が私のルーツ
 
                山形では、合宿のような生活をしていますから、朝ご飯は毎朝取り合い。それで何とかお腹を満たしたら、昼は毎日海や山に連れていってもらって。祖父母の家は商売をしていて、子どもたちがいると邪魔になるので、そうやって自然の中に放牧されていたわけです(笑)。そこで散々遊んで駆けずり回って、疲れ果てて、帰ったらごはんをガツガツ食べてコテンと寝る。そんな野生児のような生活があまりに楽しかったので、正直言うと、日常の学校生活のほうはあまり記憶にないんですよね。
おかげで山形の親戚とはいまだに結束が強くて。今年も仙台にいるおじ、おばを訪ねたのですが、それをいとこたちが聞きつけて、みんな集結。総勢15人で岩手の中尊寺金色堂や、日本三景の一つである松島を訪れて、とても楽しかったです。
親戚の中では最年長。わりと聞き分けのいい子でした
遊びも、おこづかいをたくさんもらえるような環境でもありませんでしたから、毎日、あるもので工夫して楽しんでいました。木切れや段ボールを集めて何かを作ったり、魚を捕まえたり貝を拾い集めたり。本当にみんなキャラクターが違っていて、そのバラバラの子たちがいつも固まって仲良くゴソゴソ動いていた。今、私は『映画 すみっコぐらし』のナレーションを務めさせてもらっているんですけど、まさに山形での私たちはすみっコそっくりでしたね。
 
                一方で、私はおばあちゃん子でもあったので、祖母のお手伝いもよくしていました。一緒にご飯を作ることも多かったんですけど、実家では見たことがないような大きいすり鉢でごまを擦ったり、大鍋でお味噌汁を作ったり。私が台所仕事が好きになったのは、間違いなく祖母の影響だと思います。
日常にも“ハレ”を求めて本を読んでいた
読書はもともと大好きで。幼稚園が、教室の後ろに絵本がたくさん置かれているというところだったので、いつもそれを読んでいましたね。あとは山形の祖母が遊びに来るたびに、絵本をお土産に持ってきてくれて。自分だけの本というのが嬉しくて嬉しくて、宝物にして何度も読んでいました。
両親はというと、とくに私たちに読書を推奨していたわけではなかったんです。母は保育士の資格を持っていて、子どもと一緒に遊ぶのは天才的に上手かったんですけど、絵本を読むのはそんなに好きでもなかったようで。私がせがむと、よく作り話をしてくれたんですけど、それがワンパターンで……。明らかに気が入っていなくて、つまらなくて、「ならば自分で読むしかない」と読書に励むようになったのです。










 
               
               
               
               
               
               
               
               
               
               
               
              



























































































 
                 
                