【WEBげんき連載】わたしが子どもだったころ
「この人の親って、どんな人なんだろう」
「この人は、どんなふうに育ってきたんだろう」
今現在、活躍する著名人たちの、自身の幼少期~子ども時代の思い出や、子ども時代に印象に残っていること、そして、幼少期に「育児された側」として親へはどんな思いを持っていたのか、ひとかどの人物の親とは、いったいどんな存在なのか……。
そんな著名人の子ども時代や、親との関わり方、育ち方などを思い出とともにインタビューする連載です。
第10回は、NHK Eテレ「いないいないばあっ!」に、2代目女の子として出演していた齊藤里奈さん。現在はヨガ講師として活動している里奈さんは、2人のお子さんを育てるシングルマザーでもあります。
子役時代は20本のテレビCMに出演
最初の仕事は、おもちゃの広告や、雑誌の仕事が大半でしたが、4歳になるとテレビCMの仕事がぐっと増えました。「いないいないばあっ!」に出演するまでに、でたCMの数は約30本ほど。番組と番組のあいだに、私の出るCMが2本流れることもありました。性格はのんびりしたほうでしたが、お仕事に対しては子どもながらに責任を持って取り組んでいました。1度決まったドラマの主役が、スポンサーの都合で見送りになってしまったときは悔しくて、はじめて大泣きしたのを覚えています。
ワンワンを父のように慕っていた
あとから母に聞いた話ですが、他の女の子たちは、ワンワンを寝かしつけたりして上手にストーリーを完結させていたそうです。一方、私はというと「里奈も眠たくなっちゃった~」と言いながら寝たフリをして、そのまましばらく起きるタイミングを失ってしまいました。見かねたワンワンが「3、2、1!」と声をかけてくれたので、それを合図に体を起こすことができました。母は落ちたと確信したみたいですが、結果は合格。スタッフさんが、マイペースな行動をおもしろがってくれたみたいです。
「いないいないばあっ!」の4年間の撮影は、とにかく楽しかったですね。休憩に入っても母のところに戻らず、ワンワンや声優さん、スタッフさんの誰かと、ずっとおしゃべりをしていました。チョーさんのことは高校生になるまで、プライベートでもワンワンと呼んでいました。一度、帰りの電車が一緒になったときに呼んだら「小さい子にワンワンって呼ばれていたらへんなおじさんって思われちゃうから、ワンさんって呼んで」と言われたことがあります(笑)。当時は父が仕事で忙しく、あまり家にいなかったこともあって、チョーさんのほうが一緒にいる時間が長かった。チョーさんのことを、うっかり「パパ」と呼んでしまうくらい、大きな存在になっていました。