「しりたガエルのけけちゃま」はなぜピンク色? 構成作家に聞いた!
超話題! Eテレ「おかあさんといっしょ」の大人気コーナー「しりたガエルのけけちゃま」ここだけの秘話大公開
2022.11.24
編集者・ライター:山口 真央
その構成作家をしているのは、八木順一朗さん。八木さんは構成作家だけでなく、芸能事務所のマネージャーもされています。そんな八木さんに、番組に携わることになった経緯や、コーナーに込めた思いなど、ここだけの秘話を聞きました!
お子さんと兄姉とのつながりを 取り戻すためにできたコーナー
弊社に所属しているタレントがNHKの番組に出演したときに、僕が構成作家をしていることをプロデューサーさんに話したことがありました。そのときのプロデューサーさんが「おかあさんといっしょ」に異動して、手伝わないかと声をかけてくれたのが始まりです。
新型コロナウイルスの影響で、番組ではここ数年、スタジオにお子さんを呼ぶことができていません。「しりたガエルのけけちゃま」は、視聴者のお子さんの質問にお兄さんお姉さんがこたえることで、お兄さんお姉さんとお子さんのつながりを取り戻したいという願いを込めて、みんなでつくったコーナーです。
おかげさまで、コーナーは大人気! 毎回の放送後、SNSにお子さんのリアクションや、親御さんの感想が投稿されています。
視聴者の方からコーナーについて、よく「ゆういちろうお兄さんはいつか登場するんですか?」と質問されますが、どうでしょう……僕も共演を夢みています!
けけちゃまはなぜピンク色? 込められた秘密のストーリー
そんな子どもたちに寄り添える、けけちゃまというキャラクターをつくりました。
けけちゃまのデザインは、絵本作家のザ・キャビンカンパニーさんがつくってくれました。
体がピンク色である理由には、ちょっとした物語があります。
小さなころからピンク色だったけけちゃまは、まわりと違うことがコンプレックスでした。あるとき、それが「自分らしさ」だと気づき、今ではピンク色であることを自慢に思っているそうです。
番組で「なりたい動物は?」と尋ねられても「けけちゃまのままがいい」とこたえていたのは、そういう理由からだったんです。
世界も人も、知れば知るほど魅力的になると伝えられたら
担当プロデューサーと二人三脚でつくった9月の月の歌「しればトモダチ」のタイトルにも込めましたが、誰かを深く知ることで、壁がなくなって、世界が広がり、友達になれると僕は考えています。
「おかあさんといっしょ」は、見ているお子さんがいろいろな価値観や感情を学ぶ、本当に「おかあさん」のような存在。番組や歌を通して、誰かを知れば知るほど好きになるという感覚が、お子さんに伝わってくれたらうれしいです。
僕の子どもたちも、けけちゃまが好きなようで、「しればトモダチ」が始まると歌いながら飛び跳ねています。僕がけけちゃまと仕事をしていることを話すと「今日のけけちゃまは何していた?」と聞かれるようになりました(笑)。
これからも、かわいくておもしろいけけちゃまが、お兄さんお姉さんの魅力を引き出していくので、楽しみにしていてください。
八木順一朗さん profile
マネージャー・映画監督・構成作家。日本大学藝術学部映画学科監督コース卒業。2011年、株式会社タイタンに入社。以降、爆笑問題、橋下徹、辻仁成、太田光代などのマネージャーをつとめる。2016年からテレビ番組の制作ディレクターとして活動。担当したテレビ番組にNHK Eテレ『みんなの2020バンバンジャパーン!』、テレビ東京『新・美の巨人たち』など。2020年には長編映画『実りゆく』の脚本・監督をつとめる。