中学生研究員 深刻な【海洋プラスチックごみ】問題を東京海洋大学から徹底レポート!

MOVEラボ研究員助手のはるきが 第4回「海の生物とプラギョミ」をレポート!

ミズウオの解剖に挑戦!

メスを使って初めての解剖!
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解剖の目的は、胃の内容物からプラごみが出てくるのか調べることです。ミズウオとは、海底から離れて生活する中層遊泳性の深海魚で、体長135cm前後になる細長い魚です。背ビレが大きく、歯が非常に鋭いのが特ちょうです。

今日は相模湾で採取した2匹と、インド洋で採取した1匹を解剖しました。

解剖は初めての子が多かったと思いますが、興味津々でわくわくしながら解剖用のメスでお腹などを切り開き、ミズウオの胃の中にあるものを観察しました。ミズウオが丸のみしたアジや葉っぱ、プラスチックごみを見つけていました。

相模湾で取れたミズウオからは外国の商品の袋の切れはしや、葉っぱ、プラスチックごみが出てきていました。インド洋で取れたミズウオからはあまりごみは出てきていませんでしたが、アニサキスが付着していました。
今回の解剖でミズウオの胃から出てきたプラスチックごみや葉っぱ
相模湾のミズウオは7割ほどの確率で海洋プラスチックが出てくるそうですが、インド洋のミズウオは2割ほどの確率でしかでてこないそうです。

このことから岸に近いところでは、沖合よりもごみが多いということがわかります。さらに内田教授は、日本周辺海域のマイクロプラスチックの分布密度は、世界の海の平均的な量の約27倍と教えてくださいました。

海底ごみを見てみよう

海底のごみを触ってみた
網や日本のものではない商品の切れ端があったり、商品の名前が読めるものや、長期間海底にあったために名前が読めないほど文字がつぶれてしまっているものもありました。
先生の講義から自分たちにできることを考えます。
海洋プラスチックごみを減らすために大切なこととして、みんなで“3R”を確認しました。

プラスチックの、使用量を減らすこと(Reduce)  、繰り返し使うこと(Reuse)  、リサイクル(Recycle)。
使い捨てられるプラスチックを減らすこと。ごみをきちんと分別すること。マイクロプラスチックになる前に回収して適切に処理すること、僕たち一人一人が今自分にできることを意識して取り組んでいくことが大切です。
僕が特に興味深いなと感じた内田教授の講義は次の内容です。

インターネットやニュースなどで、レジ袋を食べてしまったためにウミガメが死んでいる、というものがあります。その話は完全に正しい訳ではなく、ウミガメはプラスチックごみを食べてもたいていは体外に排出されるので、それが直接の原因としてすぐに死ぬことはないということ。死んでいるウミガメからプラスチックごみがかなりの頻度で検出されるので、騒がれているとのことでした。
大学での研究方法を教えていただきました
海洋プラスチックが生物の生死に与える影響が今はまだ少ないといっても、本来自然界にはないはずのものが海を漂っているということで、ウミガメにとって少なからずマイナス面はあるだろうし、それ以外の生きものにも多大な影響があると思います。

ポイ捨てや、川に捨てたものもいつかは海に流れ着いてしまうので、川遊びやキャンプ等で使わなくなったものもしっかりと全て持ち帰り、分別処理することが海の生物の保全にもつながっていくことになるので、大事だと思います。

また、人に言われたことやインターネット上のみの情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、自分で調べたり見たりして、その情報が本当に正しいのか確かめる習慣を身につける必要があること、最近では情報源となる英語の論文も翻訳機能を使って容易に内容を理解することができるようになっているので、自分で正しい情報を探すことが大切だと学びました。そうできるよう、幅広く勉強していきたいと思います。
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