ヒグマとは|遭遇したとき「死んだふり」はNG? 専門家・今泉忠明先生が「危機回避法」を伝授

ヒグマとはどんな生きもの? 動物学者 今泉忠明先生の実体験から危機回避法を紹介!

ヒグマはどれだけ危険? 出会ってしまったら?

知床のヒグマ ©️AdobeStock
クマ科の動物は基本的には肉食性ですが、ホッキョクグマ以外は植物も食べる雑食性です。北極から熱帯まで幅広い環境に住んでいます。足の裏全体を地面につけて歩くのがクマ科の大きな特徴です。

この記事は講談社の動く図鑑MOVE「動物 新訂版」「危険生物 新訂版」から一部抜粋したものです。
講談社の動く図鑑MOVE「動物 新訂版」より
ヒグマ
ホッキョクグマにつぐ巨大な肉食動物で、毎年、各地で死亡事故がおきています。身の危険を感じると、するどいつめのはえた前あしで攻撃します。

分類 :クマ科
体の大きさ:1.7~2.8m、80~600kg
生息地:北海道、ユーラシア、北アメリカ
危険なところ:つめ、きば
ヒグマの危険ポイント

雪が積もって足跡が残るとき、ヒグマは「止め足」を使うことができます。止め足とは、一度歩いた場所を同じ足跡でもどり、わきにとぶわざです。こうすることで足跡が途中で途切れているように見え、どこへ行ったのかわからなくなります。ヒグマが止め足を使うときは、人間を警戒して逃げているときです。しかし、気性があらいヒグマは、止め足で人間の注意をひいておそうことがあります。
講談社の動く図鑑MOVE「危険生物 新訂版」より

じつは熊は目が悪い! 出くわさないための対策とは?

では実際に熊でに出会ってしまったら、どのような行動が適切なのでしょうか? 『ざんねんないきものシリーズ』の監修でおなじみの動物学者・今泉忠明先生に聞いてみました。

先生が推奨する熊の回避方法は動画でチェック!(動画から抜粋した一部をテキストでも下部に掲載しています)

【熊に遭遇したときの対処法は?】動物学者・今泉忠明先生が伝授!

動画の内容の一部を紹介

ヒグマと出会ったときの距離が問題なんですね。遠かったら静かにして観察していればいい。遠いというのは50メートルくらいですけどね。向こうから50メートル走ってくることは普通ないですから。

10メートルくらいの距離がなかなか微妙なところですね。熊は目が悪いですから何かなぁとじーっと見ます。そのときに人間が「わー」と言って逃げたら、遊べると思って追いかけてきます。そのときは仁王立ちでじーっと立って睨みつけて、ゆっくりと後に下がっていく。

これ(写真)は10メートルくらいのところにツキノワグマがいて、こっちを見ていたんです。僕はおにぎりをちょうど食べ終わったところだったので、さっとカメラを持って立ち上がってこの写真を撮ったんです。そしたらこの熊がじーっとこっちを見ていたんです。こいつ何しているんだろうと見ていたんですね。逃げないなぁ!と思ったんでしょう。自分のほうから逃げていきました。

ですから、相手が何もしない、たいして面白くないというときは、熊のほうから逃げていきます。逃げるというか避けていきます。

すぐそばで出会ったときは別ですけど、10メートル以上離れているときには落ち着いて、仁王立ちといって構えて立って、睨みながらゆっくりと下がって(熊との)距離をあけるんですね。そのとき決して転んではいけませんよ。

すぐ近くで出会っちゃったときはもうこれは最後の手段。これはもう戦うしかない。わーと!(両手をあげて大きな声を出して威嚇するようなポーズを取る)ヒグマもビクビクします。ヒグマは目が悪いですからびっくりするんです。それで逃げていくことが多いです。

でも人間がきゃーと言うともうダメです。それは弱い動物だな、おもちゃにちょうどいいなぁと思われてしまいます。何しろこっちが弱いことを見せない。そして堂々と後ずさりする。

出会わないようにすることも大切です。鈴をつけて歩くと熊のほうが先に気がつくので、人間を避けます。最悪なのはゴミに餌づいたヒグマが来たときです。これはもう目つきが違い、目が血走っています。おいしいものをよこせという顔してます。

すごい勢いで走ってくるので、こういうときはパンチを食らわせるのです。鼻にパンチ。これしかないですね。寝たふりはダメです。寝たふりは頭をかじられます。

なので、死んだふりよりにらみつけて少しでも距離をはなす。闘う気は無いですよという意思を示しながら。

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