さかなクンと自由研究! 約30年後には魚の量よりプラギョみの量が多くなっちゃうってほんと!?

Eテレで放送中『ギョギョッとサカナ★スター』の夏休み特別授業 その2

『ギョギョッとサカナ★スター』は、さかなクンがお魚たちの魅力を深掘りしていく人気番組(NHK Eテレ)。2023年8月18日に放送された夏季特番では、さかなクンが東京・上野公園にある国立科学博物館で開催中の特別展「海 ─生命のみなもと─」を訪れ、お魚好きの小中学生に向けた授業を行いました。

授業後半のテーマは「いま海で起きている問題」。MOVEラボ研究員のグループも参加した特別授業の様子をレポートします。

さかなクンの自由研究「いま海で起きている問題を考えよう!」

国立科学博物館の日本館講堂で授業を行うさかなクン。
今年の海展のテーマのひとつが「海との共存、そして未来へ」。わたしたちがこれからも海と共存していくためには、海で起きている問題を知っておくことが重要です。

夏休みの自由研究にも役立つテーマについて、さかなクンと子どもたちが一緒に考えていきます。
さかなクン:さあ、皆さま。海にはたくさんのお魚がくらしていますが、そんなかけがえのないたいせつな海でさまざまな問題が起こっています。ここからは、いま海で起こっている3つの問題についてギョ一緒に考えていきましょう。

1つめの問題は「海水温の上昇」。こちらのお魚、クロダイちゃんをギョ覧ください!
実物のクロダイを手に熱弁するさかなクン。
さかなクン:クロダイちゃんは甲殻類や貝類のほかに、海藻なども食べる雑食性のお魚で、水温が低くなる冬場は動きがにぶくなって食欲もなくなります。ところが、近年の海水温の上昇にともない、冬でも活発に動けるようになってしまいました。

冬の東京湾では漁師さんたちがノリの養殖をしているのですが、近年はおなかをすかせたクロダイちゃんが養殖のノリを食べるようになってしまったのです!

これはとても深刻な問題ですが、はたしてクロダイちゃんは悪者なのでしょうか?
さかなクンの問いかけに子どもたちも真剣に考え、やがて「悪者じゃない」「人間が悪いかも」という声が上がります。
さかなクン:どうして海水温が上がってしまったのかを、みんなでしっかり考えていくことがたいせつですね!

2つめの問題は「乱獲」です。乱獲はお魚をたくさん獲りすぎてしまうことですが、皆さまはどんなお魚が思い浮かびますか?
さすがはお魚好きで集められた子どもたち。「マグロ」「ウナギ」「サンマ」と、近年乱獲が問題視されているお魚の名前が次々と挙がります。
さかなクン:いろいろなお魚の名前が挙がりましたね! たとえば、ひとつのお魚ばかり獲りすぎてしまうと、数がどんどん減っていき、やがては絶滅の心配につながることもあるんですね。

じつは、秋の味覚としておなじみのお魚でとってもおいしいサンマちゃんが、乱獲などによって数を大きく減らしているんです!
サンマの水揚げ量の推移。2014年には22万トン以上水揚げされていたが、2022年は1万8000トンほどしか獲れなくなっている。
さかなクン:日本近海には約4000種ものお魚が知られています。おいしいサンマちゃんだけを食べるのではなく、いろいろな種類のお魚を食べましょう。これなら、わたしたちにもできますね!

そして3つめの問題、「海洋プラスチック汚染」も深刻です。海でくらす生き物たちがまちがって食べてしまうことが大きな問題になっています。

皆さんも海展の展示を見たと思いますが、海にただようプラスチックギョみ(ごみ)がどこから来ていると思いますか?
海展に展示されている廃プラスチック。すべてウミガメやクジラの胃の中から見つかったもの。
さかなクン:街で捨てられたプラスチックギョみが風で飛ばされたり、川を伝ったりして、海へとたどり着くことも多いんです。

ギョみ自体を減らすことが、海のプラスチック汚染を防ぐことにつながります。ふだんの生活から、ギョみを減らす意識をもつようにしたいですね!
プラスチックギョみの工作をおすすめするさかなクン。海展にも展示されていた葉山久世さんのマダイの作品に大興奮!
さかなクン:最後に、さかなクンから皆さまにお願いがあります! 

夏休みのあいだに、家から出たプラスチックギョみを使って、海の生き物の工作を作ってください。それをお友達や先生に見てもらうことで、海洋プラスチック汚染の問題について知ってもらいましょう。

作品は番組でギョ紹介しますので、皆さま、がんばって作ってくださいね!

MOVEラボ研究員もみんなでプラギョみを使った「立体海図鑑」を作りました!

特別授業の最後に、さかなクンから夏休みの自由研究にもなる工作の課題が出ました。MOVE研究員たちも一生懸命プラスチック工作を作りました!
作品のテーマは「立体海図鑑」! 古生物~深海魚まで、みんなが大好きな生きものが集まった夢のような海!
(上の段左から)ゆうと(小5)「シュモクザメ、ウミガメ、真珠貝」、はるか(小5)「カマスとイセエビ」(下の段左から)れいいちろう(小5)「ハコフグとカニ、クラゲ、三葉虫、タコノマクラ」、しんご(小6)「ホウボウ、カブトガニ、アノマロカリス」、ささ(小5)「カサゴ」などたくさん作りました!
「ゴミが原因で死んでしまう生きものもいるの?」「大人になったころにはゴミが魚の量より多くなるの?」

プラごみ工作を通じて海の汚染をとても身近に感じたMOVEラボのメンバー。「プラごみが家からこんなに出ていることに驚いた」「街から海に行ってしまうなんて。ごみ拾いしないと!」「自分たちが大人になるころには、海の魚の量よりもごみの量のほうが多くなると聞いて怖くなった」とそれぞれが驚き、感じた様子でした。
特別授業の前に海展の展示を見てきたMOVEラボ研究員たちは、後半パートの環境問題にもしっかり耳を傾けていました。特別展「海 ―生命のみなもと―」は、国立科学博物館で10月9日(月・祝)まで開催しています。東京・上野の海に足を運び、海を知って未来について考えるきっかけにしてはいかがでしょうか。

取材・文/橋谷勝博(魚橋ラボ)

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