気をとりなおして、今度はにぎるようにしっかりつかむ。「ビビビッ!」ちょっと弱くなったが、それでも痛い!しびれる!!
そしてやはり、ひっこめようとは思っていないのに、腕が勝手に曲がってひっこむ。筋肉というのは強い電気が流れるとギュッとちぢんで動いてしまうものなのだ。
たしかにデンキウナギは敵に対して電気をはなつ。本で読んで知ってはいたことだったが、こうして自分の身をもってたしかめることができた。……しかし捕まえられた直後でいくらか弱っていただろうとはいえ、馬を倒せるほど強い電撃とも思えない。まあそれでもめっちゃ痛かったけどな。涙出そうなくらい。
<電撃は水中だとより強力に!>
デンキウナギにくわしいアマゾンの漁師さんに話を聞いてみると
「陸上でさわればものすごく痛いけれど、たいへんなことにはなりにくい。キケンなのは水中で感電したときだ。」
という。
水中では電気がつたわりやすく、しびれが強くなる。そうなると痛みもさることながら、うまく体を動かすことができずにおぼれてしまうことがあるのだそうだ。また、デンキウナギは同じ場所にたくさん群れることがある。そいう場所だとうっかり1匹を発電させてしまうと、それにおどろいたほかのデンキウナギたちが次から次に放電してしまうという非常事態が起きるらしい。川で泳いでいるときにそんなことになったら……。うーん、考えたくもない。
でも、やっぱりちょっとだけその感覚も味わっておきたい。浅く安全な水辺にデンキウナギを泳がせ、自分も飛び込む。ここならおぼれはしないし、ほかのデンキウナギたちもいない。じゃあ触ってみようかな~、と思うが早いか、
「ビビビビビビビビビッ!!」
うおおお!
まだ触ってもいないのに手の先から足の先までしびれたっ!!