間近に見られた超貴重な化石に大興奮! 国立科学博物館の収蔵庫に潜入!
MOVEラボ研究員が古生物学者・木村由莉先生と科博の収蔵庫ツアーを体験!
2023.12.20
化石好きの子どもたちは大興奮! 木村先生と収蔵庫ツアーが実現!
また、国立科学博物館の収蔵庫も見学させていただき、間近に見る本物の化石に驚きを隠せないメンバーたち。今回は、古生物が大好きな高校生メンバーのひであきが、質問会や収蔵庫見学ツアーの様子をレポートします。
今回、レポートしてくれたのはMOVEラボのメンバーである助手のひであき(高1)。恐竜が大好きで小学生のころからMOVEラボの活動に参加。高校生になった今では、研究の幅をグッと広げて、恐竜や化石、石についての研究を深めています。
〈MOVEラボ研究員とは?〉
MOVEラボ研究員は、厳正な選考によって選ばれた、生きものや自然科学に興味のあるMOVE読者の代表です。研究員は、MOVEラボの活動に参加し、フィールドや博物館、動物園などをリアルに楽しみます。また、ラボの研究員は、自分たちの研究レポートをMOVEラボのサイト上で発表します。
メンバーは現在24名! 中学生以上は「助手」として活動しているよ!
https://lab.zukan-move.kodansha.co.jp/
自分の運を信じて、夢を実現させよう!
先生への質問会の前に先生は僕たちのためにスピーチをしてくださいました。木村先生ご自身が博物館が大好きで恐竜博士になりたい女の子だったそうです。恐竜博士になるためにどうしたらいいんだろう、と考えても当時はよくわからない道で、ここまでの道のりはとても大変だったと教えていただきました。実際に「研究」に大切なことは、学校の勉強にプラスして、世界中の誰も知らないことを探していくということが加わる。学力だけでは足りなくて、プレゼンする力や研究するときのひらめき(テーマを思いつく力)が必要という話を具体的にわかりやすく教えていただきました。
そのなかで僕の心に一番響いた言葉は、「自分の運を信じる」でした。木村先生は運というのは、自分は運がいいと思っている人のところにくるものだと考えているそうで、確かに僕の妹は運がよく、僕は運が悪く、違いは自分の運がいいと思っているかということだと思いました。
木村先生自身も何度も奇跡を起こされているような方なので、本当なんだと思い、自分の運を信じてみようと思いました。
タイプ標本を管理している自分を誇りに思う!
Q.何か壁にぶつかったときはどうしますか?
「まずは、それが好きかどうかを考え、好きでないならやめます。好きかどうかは小さい頃の自分が喜んでくれるかで判断しています。そして、好きだけれど超えられないときは、難易度を下げたり、回り道をして壁をよけたりします」
Q.科博の標本の中で、木村先生のお気に入りは何ですか?
「タイプ標本(生物の新種を発表するときに、その基準となる標本)〈1〉です。他の標本とは別の方法で管理されていて、研究者になったばかりのころはタイプ標本に触れなかったけれど、今は管理を任されていて、触れることが誇りです」
Q.大学、博物館以外で古生物の研究をするところはありますか?
「図鑑の編集などがあります。図鑑は最新の研究をいかに面白く伝えるかが大切なので、かなりの知識量とそれを伝える語彙力がいるため、実は難しいんです」
待ちに待った収蔵庫見学! 見るものすべてにワクワク!
収蔵庫に入るとまず、手前にたくさんのナウマンゾウの標本がありました。木箱に収められているのは、部位ごとに組み立てられた標本です。奥に進むと、写真のような灰色の引き出しがたくさんあり、産地や種類ごとに収蔵されていました。
そして、普段は見ることができないフタバサウルスのタイプ標本を見せていただけました。この標本は、この収蔵庫に収蔵されるまで良い保存環境を保てなかったため、黄鉄鉱病(化石中の黄鉄鉱の酸化)の影響で脆くなってしまっています。
そして最後は昔、科博で働いていた長谷川善和先生が研究されたナウマンゾウの化石を見せていただきました。下顎の一部や歯などを触らせてもらえました。見た目以上に重く、実物の大切さを実感しました。実際に持てると、質感や重量を肌で感じられるうえ、普段見られない角度から観察できるので、面白かったです。
https://www.kahaku.go.jp/news/2007/0301info.html
国立科学博物館「タイプ標本データベース公開について」
写真/島田礼奈、取材・文・写真提供(一部のぞく)/MOVEラボ研究員・松岡秀明