鳥はなぜカラフルなの?知られざる「鳥の目の仕組み」をサイエンスライターが解説!

【ちょっとマニアな生きもののふしぎ】サイエンスライター・柴田佳秀先生が見つけた生きもののふしぎ

サイエンスライター:柴田 佳秀

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鳥って、カラフルで美しいですよね。例えば、カワセミのブルーなんてめちゃくちゃきれいですし、オシドリの錦の装いは正に豪華絢爛という感じ。見るたびに溜息が出るほどの美しさで、鳥の一番の魅力だと思います。

鳥はなぜカラフルなの?

では、なぜ、鳥はこんなにカラフルなんでしょう。これにはいくつかの理由があるのですが、いちばん基本的なことは、「鳥は色が見えるから」でしょう。当たり前といえば当たり前な話で、色のない白黒の世界しか見えなければ、自分がカラフルになってもしかたがないですからね。色が見えるからカラフルなのです。
ところで、鳥の色にはどんな意味があるのでしょう。じつはいろんな意味があるのです。まず、鳥って、種によって色や模様が決まっていますね。カワセミはどんなカワセミも同じ色をしていて、ピンクのカワセミなんて見たことがありません。種によって色や模様が基本的には決まっているので、鳥は目で自分と同じ種であるか見分けることができるのです。これを種認識といいます。じつはこれは、人間が楽しむバードウォッチングでも同じで、種によって色が決まっているから識別できるのです。
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色が見える鳥の目の仕組みって?

色によって、メスにモテるモテないということもあります。たとえばツバメ。ツバメの喉は赤茶色なのですが、この色が濃くて広いオスは、メスにモテるという研究があります。濃い赤色は、良い縄張りをもっていることを示していて、こんなオスを夫にすれば、子育てが成功する可能性が高くなり、メスも自分の遺伝子を残すことができます。とうぜん、色が見えなければこれは成立しませんから、やはり色覚が発達している鳥ならではの話といえるでしょう。
そんな色が見える鳥の目の仕組みはどうなっているのか、気になるところです。私たち人間も色が見えますね。人の目には、色を感じる視細胞があり、それによって色が見えるのですが、その視細胞には、赤・緑・青の光の波長を感じる3タイプがあって、それを組み合わせることによってさまざまな色を識別しています。鳥の場合も同じで、色を感じる視細胞をもっているから色がわかるのですが、驚いたことに鳥は赤・緑・青の視細胞の他に、もう1タイプの紫外線を感じる視細胞をもっているのです。要するに4タイプの視細胞があって、それを組み合わせて色を見ていることになります。人の目は紫外線が見えませんから、残念ながら4タイプの視細胞を使って鳥がどんな色を見ているかはよくわかっていません。きっとまったく違った色の世界を見ているのでしょう。

ちなみにオスとメスが同じ色の鳥がいて、私たちから見たら雌雄がわからないことがよくあります。なのに鳥たちは、性別を間違えることなくペアになっています。いったいどうして雌雄の見分けがつくのか不思議です。じつは紫外線を含めた4タイプの視細胞で見ると、オスとメスで色が違っている鳥がいるそうで、鳥の目から見たら、オスとメスでぜんぜん違った色をしているから見間違うことがないというのです。
研究が進んで、鳥たちの色と同じ景色が見えるそんな双眼鏡が開発されたら、バードウォッチングがますますおもしろくなりそうです。
写真提供/柴田佳秀

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柴田 佳秀
しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。