見えない化石の秘密を発見!CTスキャンが明かす古生物の痕跡【古生物学者調査記】

【ちょっとマニアな古生物のふしぎ】古生物学者・相場大佑先生が見つけた古生物のふしぎ

古生物学者:相場 大佑

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大むかしの生きもの

大むかしの生きもの

講談社(編) 群馬県立自然史博物館(監)

発売日:2020/06/27

価格:価格:本体2000円(税別)

CTスキャンでわかるアンモナイトの構造

古生物学の研究では、化石をいろいろな方法で観察したり調べたりして、新しいことを発見します。時には化石の中身を調べることで新たな発見に出会えることもあります。

しかし、化石の中身を調べるためには、化石を物理的に切断したりする必要があります。もちろん、一度切ってしまった化石は元には戻りませんので、ひとつしかないような貴重な化石を簡単に切るわけにはいきません。また化石の中に何かが入っていたとしても、その部分が見えるように正確に切断したり、周りの部分を取り除いたりするのはとても難しい作業です。

そんなときに役に立つのがCTスキャンです。CTスキャンは人間の体の中の病気を見つけたりするときに使われているもので、聞いたことがある方もいると思います。体のまわりからX線をあてて、体の内部を輪切りの画像として見ることができる装置です。

実は、このCTスキャンは化石の研究にも使われています。化石を装置の中に入れてスキャンすると、化石をこわさなくても内部の様子を詳しく調べることができます。
CTスキャンの装置の写真。装置の中に化石を入れてX線を当てます(別に撮った化石の写真を後から合成しています)。
CTスキャンをすると、輪切りになったたくさんの画像が得られます。専用のソフトを使って、この輪切り画像から化石の立体的な形のCGをコンピューターの中で作ります。
CTスキャンで撮影した輪切り画像を合わせてアンモナイトの立体像を復元したCGです。元のアンモナイトの形がコンピューターの中で正確に再現されています。
立体化した3DアンモナイトのCGをコンピューターの中で再び切って、断面を見ることができます。好きな方向で切ることができますし、もちろん切ってもまた元の立体に戻すことができます。立体像の見え方を調整して、中身を透けさせることもできます。
コンピューターの中で切って中身の断面を見てみたり、透けさせることで立体のまま中身を調べたりすることもできます。アンモナイトの殻の中にある「隔壁」と呼ばれるたくさんの仕切り壁が見えました(右のCGの黄緑色の部分)。
今度は別の化石をCTスキャンで調べてみたいと思います。
「ひじき」のようなものがある岩石、一体なんの化石?

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