【いきもの超ワールド展】国立科学博物館×ダーウィンが来た!の見どころを図鑑執筆者が徹底解説

大自然超体感シアターから巨大骨格標本まで!MOVE「ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑」執筆の柴田佳秀が教える必見ポイント&自由研究のヒント (3/3) 1ページ目に戻る

科学ジャーナリスト:柴田 佳秀

スクープ映像をものにした取材機材

「いきもの超ワールド展」の第2会場には、「ダーウィンが来た!」の取材で活躍した撮影機材をはじめ、実際のロケで使われたテントや装備などが展示されています。華麗なスクープ映像の裏側にある、かなり泥くさい取材現場をのぞけるコーナーです。番組ファンなら、ここも見逃せません。

自然番組の取材は、大自然が相手です。野生動物は台本どおりに動いてくれませんし、天候も撮影スケジュールに配慮してくれるわけではありません。私もかつて北極に3ヵ月半滞在し、猛吹雪で山に閉じ込められそうになったことがあります。展示された防寒服を見ていると、懐かしさとともに、あのときの寒さまでよみがえってきました。今回は快適な温度の会場で眺められるのが、何よりありがたいところです。
撮影用の身を隠すテントと環境に合わせたロケ服。
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ここで特に注目してもらいたいのが、無人カメラ(トレイルカメラ)とドローンです。この二つの機材の登場によって、自然番組は新たな時代に入りました。それまで撮影が難しかった動物の姿や、誰も見たことのない生態を映像に収められるようになったのです。
無人カメラ。赤外線センサーによって動物の動きを捉えて撮影します。警戒心が極端に強く、けっして人前に姿を見せない生きものでも映し出します。
ドローンカメラ。この機材の登場によって、巨大なクジラの全身を上空から捉えたり、警戒心の強い生きものを離れた場所から撮影したりできるようになり、自然番組の映像表現に新たな世界を切り開きました。
『ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑』でも、ドローンや無人センサーカメラ、ハイスピードカメラなど、番組のスクープ映像を支えてきた撮影機材を紹介しています。

生きものの映像を見るだけでなく、「これはどうやって撮ったのだろう」と撮影方法に注目するのも、自然番組のおもしろい見方です。生きものたちが進化してきたように、それを追いかける撮影機材も進化を続けているのです。
『ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑』では、ドローンカメラや無人センサーカメラをはじめ、スクープ映像を支えたさまざまな撮影機材を紹介しています。

会場で見つけた「なぜ?」を自由研究に!

「いきもの超ワールド展」の魅力は、科博の標本や模型を間近で観察しながら、「ダーウィンが来た!」の映像で、生きものたちが実際に動く姿まで見られることです。今回ご紹介できたのは、そのほんの一部にすぎません。

展示を見て驚いたことや疑問に思ったことがあったら、そこで終わらせず、『ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑』も開いてみてください。展示とは別の写真や映像、解説と結びつけることで、「なぜこんなに大きいのか」「どうやって撮影したのか」など、さらに新しい疑問が生まれるはずです。

そのなかから、いちばん気になった「なぜ?」を一つ選んで調べてみれば、それだけで夏休みの自由研究が始まります。展示を見終えたあとも頭に残っている「なぜ?」こそ、自分だけの研究テーマを見つける第一歩です。この夏は、特別展と図鑑を行き来しながら、生きものの不思議をさらに掘り下げてみてはいかがでしょうか。
『ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑』を手に、MOVEラボ研究員助手の工藤真悟さん(右)と。展示で見つけた「なぜ?」を図鑑でさらに調べれば、夏休みの自由研究にもつながります。
写真提供/柴田佳秀
ダーウィンが来た!:ⒸNHK
ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑

ダーウィンが来た! 地球まるごと生きもの図鑑

講談社(編) 小宮輝之(監) 伊藤弥寿彦(監) 宮崎佑介(監) 對比地孝亘(監)

発売日:2026/07/01

価格:価格:本体3200円(税別)

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柴田 佳秀
しばた よしひで

柴田 佳秀

Shibata Yoshihide
サイエンスライター

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。

元ディレクターでNHK生きもの地球紀行などを制作。科学体験教室を幼稚園で実施中。著作にカラスの常識、講談社の図鑑MOVEシリーズの執筆など。BIRDER編集委員。都市鳥研究会幹事。科学技術ジャーナリスト会議会員。暦生活で連載中。MOVE「鳥」「危険生物 新訂版」「生きもののふしぎ 新訂版」等の執筆者。