少年の友人である地元の子どもたちによると、この少年・ユウジの父親はタンカーの船長で、すでに亡くなっているらしい。友人たちに案内してもらい、気を失っているユウジを自宅に送り届ける北斗。自宅には姉の波子だけがおり、この姉弟は父親だけでなく母親も亡くしていることを知る。
しかし、波子は「母は亡くなったが、父は必ず帰ってくる」と言って北斗に帰るよう促す。さらに、様子を見ていたユウジの友人たちにも、ユウジと遊ばないように言って追い払ってしまった。ユウジと関わると波子が怒ってしまう理由は、友人の少年たちにもわからないらしい。父親が亡くなってから、人が変わってしまったという波子。さらに、ユウジもそれ以降、毎日のように袋を持って海岸で何かをしているという。
ある日、北斗は海岸でユウジをみかけると、ユウジは漂着した貝殻を集めて持ち帰ろうとしていた。「貝殻を1000枚集めると父親が帰ってくるのだ」と北斗に話す。
実はユウジたちの父親は、一番最初の行方不明事件が発生したタンカーの船長だった。事件が起きたその日は、海岸に綺麗な貝殻が漂着していたという。父親が行方不明と聞いたことでユウジがショックを受けると考えた波子は、なかなか帰ってこない父親がいつ帰宅するのか聞いてくるユウジに、「この貝殻が1000枚集まると、お父さんは帰ってくる」とつい言ってしまう。
波子がユウジを友人たちと距離を置かせようとしているのも、友人たちから父親が死んだ事実を知らされないためだったのだ。