『ウルトラQ』『怪奇大作戦』の隠れた名作2エピソードがこれだ!

頑張る人間が輝く円谷プロ2作品から、「燃えろ栄光」「こうもり男」を紹介!

テレビマガジン編集部

『怪奇大作戦』の犯人たちのなかでは、「こうもり男」のクラシカルな装いがフォーマルにさえ見える  ©円谷プロ
『怪奇大作戦』は、科学を悪用した犯罪の調査と分析を主な任務とする、半民半官の組織であるSRI(科学捜査研究所)のメンバーが、次々と起こる怪事件に立ち向かっていく物語ですが、第19話「こうもり男」はこんなストーリーです。

SRIの的矢所長に恨みを持つ犯罪者が「こうもり男」と名乗って、全身黒ずくめなうえに黒覆面に黒マントというコスチュームで、しかも時にはこうもりのように鉄骨に足で逆さまにぶら下がって、所長やその家族を付け狙います。

そのこうもり男の復讐というのが、「SRIの部屋にこうもりのはく製と謎のカードを置いておく」「翼に刃物を仕込んだ機械仕掛けのこうもりでSRIメンバーを襲う」「女性に変装して、仮死状態にする薬を混ぜたお茶を飲ませた所長を、棺桶に入れて寺に運ぶ」という怪人二十面相チックな外連味(けれんみ)満載なもので、SRIとの攻防が大人も楽しめる「少年活劇ドラマ」としてみごとに完成されているのです。

最後の仕上げとして、検問中の警官に化けて所長の殺害を企てたこうもり男は、SRIメンバーの逆襲によって倒されてしまうのですが、ぜひ逃げおおせて、セミレギュラー悪役として何度も登場するSRIのライバルとなってほしかったと思うほどの「正しい悪役」ぶりでした。

もちろん王道である『ウルトラQ』の怪獣と人間との対決や、『怪奇大作戦』の人間の情念による犯罪を描いた作品が傑作ぞろいで面白いのは言うまでもないのですが、こうしたエピソードの持つ「幅」を楽しめるのも円谷プロ作品の醍醐味の一つではないでしょうか。

『ウルトラQ』『怪奇大作戦』を1冊に詰め込んだムックが発売中!

『ウルトラQ』『怪奇大作戦』を観るときのガイドブックとして、また作品を思い出すときの一助としておすすめなのが「講談社MOOK テレビマガジン特別編集 ウルトラQ EPISODE No.1~No.28 怪奇大作戦 EPISODE No.1~No.26」(講談社より発売中。税込み定価4620円)です。

レギュラーキャストやゲストの紹介、ストーリーや怪獣・怪事件、犯罪に使われたメカ、さらには各エピソードのオープニング&エンディングに至るまで、120ページ超のページに写真を詰め込んだ決定版です。
ぜひお楽しみください。

※本書に『怪奇大作戦』第24話は(欠番)収録されておりません。

©円谷プロ
「講談社MOOK テレビマガジン特別編集 ウルトラQ EPISODE No.1~No.28 怪奇大作戦 EPISODE No.1~No.26」(講談社より発売中。税込み定価4620円)  ©円谷プロ
今回紹介したエピソードはウルトラサブスク「TSUBURAYA IMAGINATION」で配信中。ウルトラマンシリーズが見放題になる動画配信サービスです。
TSUBURAYA IMAGINATION
映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』2024年9月1日より配信開始!
https://imagination.m-78.jp/contents/d2ViL05ld3NfMDA4ODE%3D
https://imagination.m-78.jp/
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てれびまがじんへんしゅうぶ

テレビマガジン編集部

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga

日本初の児童向けテレビ情報誌。1971年11月創刊で、仮面ライダーとともに誕生しました。 記事情報と付録の詳細は、YouTubeの『テレビマガジン 公式動画チャンネル』で配信中。講談社発行の幼年・児童・少年・少女向け雑誌の中では、『なかよし』『たのしい幼稚園』『週刊少年マガジン』『別冊フレンド』に次いで歴史が長い雑誌です。 【SNS】 X(旧Twitter):@tele_maga  Instagram:@tele_maga