ウルトラマンの“仲間”の誕生
その名は、ゾフィー。
ウルトラマンとハヤタ隊員に新たな命を持ってきた、光の国からの使者の登場には、さまざまなバックグラウンドストーリーが秘められていたのです。
円谷プロダクションは対策を練り、撮影に時間を要する特撮班を2班に分け、並行して4話分の特撮パートを撮影する体制をとるようになります。それでも、フィルムの完成が放送ギリギリという状態を打破できず、TBS映画部は、断腸の思いで人気絶頂の『ウルトラマン』を3クール(39本)で終了させることを決定したのです。
この決定の時期は、第36~37話の脚本作業を開始する少し前のようで、『ウルトラマン』の企画者の一人であり、メイン脚本家である金城哲夫氏にとって、最終回の「さらばウルトラマン」の構想と執筆は、短時間で行われたものと推測できます。
そんなバタバタな状況のなかで、後の「ウルトラマンシリーズ」にとって重要な事項が決定しました。それが、M78星雲-光の国の同朋であり、後に登場するウルトラマンたちのリーダー“ゾフィー”の登場です。