『ウルトラQ』ナメゴン・カネゴン SFとファンタジーへの真っ向勝負!

『講談社MOOK ウルトラ怪獣・宇宙人150 研究序説』よりぬきコラム【第1回】

テレビマガジン編集部

©円谷プロ
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ウルトラマンシリーズに登場する怪獣・宇宙人の誕生物語やストーリー中での活躍を追跡して、解読するムック『ウルトラ怪獣・宇宙人150 研究序説』から、作品に登場する怪獣や宇宙人がなぜこれほど魅力的なのかをお伝えしましょう。

今回はウルトラマンシリーズの原点、『ウルトラQ』(1966年)から、火星怪獣ナメゴンとコイン怪獣カネゴンを紹介しましょう。

これぞザ・侵略SFという鉄板ストーリー!

火星怪獣ナメゴン
ナメクジのような姿で、塩水に弱いという弱点を持つというのは、古典SFの王道展開。ラストのナレーションで次の火星怪獣が「海水を飲んでますます巨大になり、強靱になる恐るべき怪物に違いない」というのもSF度満点!  ©円谷プロ 
火星怪獣ナメゴンは『ウルトラQ』第3話「宇宙からの贈りもの」に登場する怪獣です。

円谷特技プロ(製作当時)の企画・文芸の柱だった金城哲夫の脚本によるエピソードで、古典SF小説『宇宙戦争』に倣った「火星怪獣」というテーマは、純粋なSFの担い手であることの宣言だったのではないでしょうか。

地球に送られてきた金色の卵は2つあり、まず1つ目が卵から孵化して大蔵島の洞窟でナメゴンが誕生、目から光線を放って人間を硬直死させました。

そして2つ目の卵は一の谷研究所内で、主人公たちの目の前で巨大化して、ナメゴンを生み出しました。

このエピソードの主題は、火星探査ロケットのカプセルを地球に戻した「何者か」の意思で、地球に送り込まれたナメゴン自身こそが、不用意に近づいてきた人類に対する「警告」「威嚇」だったのです。

不朽の人気のカネゴンは風刺とユーモアでできている!

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