

今回はウルトラマンシリーズの原点、『ウルトラQ』(1966年)から、火星怪獣ナメゴンとコイン怪獣カネゴンを紹介しましょう。
これぞザ・侵略SFという鉄板ストーリー!

円谷特技プロ(製作当時)の企画・文芸の柱だった金城哲夫の脚本によるエピソードで、古典SF小説『宇宙戦争』に倣った「火星怪獣」というテーマは、純粋なSFの担い手であることの宣言だったのではないでしょうか。
地球に送られてきた金色の卵は2つあり、まず1つ目が卵から孵化して大蔵島の洞窟でナメゴンが誕生、目から光線を放って人間を硬直死させました。
そして2つ目の卵は一の谷研究所内で、主人公たちの目の前で巨大化して、ナメゴンを生み出しました。
このエピソードの主題は、火星探査ロケットのカプセルを地球に戻した「何者か」の意思で、地球に送り込まれたナメゴン自身こそが、不用意に近づいてきた人類に対する「警告」「威嚇」だったのです。