誰もがカッコいいと思う変身ベルトを目指す! DXデザイアドライバー開発者の思惑! 【仮面ライダーギーツ】

初めて体験する発光ギミックとスタイリッシュな機械音声の理由! 開発者インタビュー

テレビマガジン編集部

ギーツの基本形態「マグナムブーストフォーム」に変身した状態の、DXデザイアドライバー  © 2022 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 PHOTO/講談社
仮面ライダーの代名詞とも言える「変身ベルト」。毎年、さまざまな形で練り込まれたギミックが搭載され、特撮、玩具ファンを魅了しています。

変身ベルト以外も含めたなりきり玩具において、近年では、当たり前に搭載されているのが言葉として発せられる「音声」です。仮面ライダーシリーズにおいて、そのはじまりは『仮面ライダーアギト』(2001年)に登場する「仮面ライダーG3-X」が使用するガトリングガン「GX-05 ケルベロス」でした。

GX-05 ケルベロスは、アタッシュモードからガトリングモードに変形させる際、暗証番号を入力するシステムで、正しい番号を入力すると「解除シマス」という電子音声とともに、ロックが解除されるという設定。当時発売された玩具の「DX GX-05」も、劇中同様の電子音声が鳴るという優れものだったのです。

翌年の『仮面ライダー龍騎』(2002年)から、仮面ライダーのなりきり玩具において音声はスタンダードになり、その後、『仮面ライダーオーズ』(2010年)以降は歌、ラップ、朗読といったように、互いに主張し合うような個性的な音声が収録された変身ベルトが多く登場しています。

そして、2022年9月3日、令和仮面ライダー第4作である『仮面ライダーギーツ』の変身ベルト「DXデザイアドライバー」が発売されます。ベルト中央部の周囲に、さまざまなグラフィックが映し出されたり、装填するレイズバックルによって操作感が変わるという、これまでにないギミックを持った変身ベルト。一方で、鳴り響く音声は、キャラクター性を抑え、番組ビジュアルのキャッチコピーにもある様にゲームを表現した機械音声というのも特徴です。

今回は、『仮面ライダーギーツ』の企画担当であるバンダイ ブランドトイ企画部の寺川 亮氏にインタビューを敢行。「DXデザイアドライバー」や『仮面ライダーギーツ』についてお話をうかがいました。なお、別記事で「DXデザイアドライバー」のレビューも公開しているので、こちらもお見逃しなく!

『仮面ライダーギーツ』のおもちゃの企画意図

「DXデザイアドライバー」本体。ここに、ライダーコアIDや、レイズバックルを装填する  © 2022 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 PHOTO/講談社

自己紹介をお願いします。(以下、太字はインタビュアー)

寺川
社歴は8年目で、現在のブランドトイ企画部に異動して2年目になります。それまでは、ホビー事業部(現・BANDAI SPIRITS)で、「ガンプラ」を中心にキャラクタープラモデルのプロモーションの仕事を主にしていました。

今期から仮面ライダーチームに配属されまして、現在は東映様といっしょに「どういった仮面ライダーの変身ベルトや玩具を作っていくか」といった、企画の立場で仕事をしています。「どういうコンセプトで、どう遊ぶものにしていきたいか」「1年間の仮面ライダーの商品をどう展開していくか」といった、東映様とバンダイを繋ぐ立場の仕事ですね。

『仮面ライダーギーツ』の変身ベルトについては、どういった切り口ではじまったのでしょうか?

ライダーコアIDのみをセットし、「エントリーレイズフォーム」に変身した状態  © 2022 石森プロ・テレビ朝日・ADK EM・東映 PHOTO/講談社 
寺川
「1号が最高に強い」ということは、ひとつのテーマとなっています。1号をかっこよく、子どもたちの憧れになるようにしたいという想いは、バンダイとして常に大事にしている部分です。

また、これまで、たくさんの仮面ライダーが企画されたなかで、いろいろなコンセプトだったり、なかにはちょっとチャレンジングに「新しい面白さ」を突き詰めたこともありました。今回は一度王道に立ち返り、「本当にかっこいいものってなんだろう」というところから、ヒーローや変身ベルトを考えていこうとなりました。

特に変身ベルトに関しては、「10人の子どもがいたら、10人全員がかっこいいと思えるようにする」ところを、徹底的に追求しています。変身ベルトの「DXデザイアドライバー」は、デザインのかっこよさももちろんですし、ギミックにも奥行きを持たせることで、遊んだ子ども全員が「かっこいい」「楽しい」と思えるものを作っていく、というところがスタートになったと思っています。
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