あの日、あの時、胸躍らせて目撃したのは何だったのか? 今回取り上げるのは「3月27日」(1999年)。
我夢の同僚である吉田隊員は幼なじみから、ある男・永田が地球人であることを証明してほしいと相談を受ける。我夢は、永田が住んでいるアパートに磁場の歪みを発見。そして、ルクーが出現する。
ウクバールから来た男
庄司は配送のアルバイトをはじめたが、一日中いっしょに配送車に乗って仕事をしていた永田という男から「自分は宇宙のどこかにあるウクバールという町から来た」と言われ、延々とウクバールの話を聞かされたらしい。
永田曰く、ウクバールはいつも風が吹いていて、空には大小さまざまな塔が浮かび、風車が音を立てて回っている。時計はなく夕方になるとサイレンが鳴り、人々は仕事を終えて家に帰るらしい。そして、自分はウクバールから来たが帰り方がわからなくなってしまった、25年間配送の仕事をしながら帰る道を探しているというのだ。
当初は黙って話を聞いていた庄司であったが、とうとう鬱陶しくなり、つい「ウクバールはおっちゃんの頭の中にあるよ」と言ってしまう。それを聞いた運転中の永田は動揺し、危うく事故を起こしそうになる。庄司は、吉田リーダーに永田が地球人であることを証明してくれないかと頼む。
一方、庄司の言葉が頭から離れない永田。今までずっと信じてきたウクバールが、もしかしたら存在しないのかと思うようになってきた。すると、電話が鳴る。永田が受話器を取ると、電話からウクバールの風の音が聞こえてきた。