東大研究者が伝授!「絵本は上手に読まなくてもOK」 子どもの脳の発達を促す絵本読み聞かせの方法とは

東京大学赤ちゃんラボの研究者、辻晶さんにインタビュー (2/2) 1ページ目に戻る

山口 真央

「ごっこ遊び」が社会性の土台に。親のリラックスが子どもの脳を育む

──絵本の読み聞かせが、子どもの成長に効果的なことがわかりました! 他に子どもの成長を助ける遊びはあるでしょうか?

 日本に伝わる手遊び歌や「いない、いない、ばあ」をすること、音楽に合わせてダンスを踊ることなどは、学術的観点から見ても効果的な遊びばかりです。あとはごっこ遊びもおすすめです。学習メカニズムで重要な「模倣」を学ぶことができますし、他者を理解する練習にもなります。

3歳ぐらいになると保育園や幼稚園の友達と関わることが増え、おもちゃを共有して遊ぶことや、悪いことをしたら謝ることなどを習得していきます。その過程で周りの人にも自分と同じ気持ちがあると理解するために、ごっこ遊びは有効だと言われています。

──学術的な裏付けがあると知ると、遊びのモチベーションも上がりますね。子育ては試行錯誤の連続ですが、子育てにおいて何を大切にするべきだと思いますか?

 可能な限り、まずは親御さんがリラックスすることです。子どもは親の感情に敏感なので、親御さんに余裕がないとストレスを感じてしまいます。保育園のお迎えにいく前に自分なりのリセットタイムをつくってみましょう。好きな音楽を聴く、「これからはリラックスタイム」と言い聞かせる、深呼吸をしてみる、などなど。自分なりのやり方で切り替えてみてください。忙しくてどうしてもリラックスした気分になれないときも、自分を責めないことが大切です。

もう1つは、子どもとの時間に集中すること。食事やお風呂、寝る前の時間を、今日の出来事を話すルーティンにするのも素敵だと思います。もちろん絵本の読み聞かせも最適です! 子どもがいまどんなご機嫌で、何を求めているのかを、言葉や表情から感じ取ってあげましょう。
辻晶さん
撮影/恩田亮一(講談社写真映像部)
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──大変勉強になるお話をありがとうございます。最後に、辻先生が特別審査員を務めた『読者とえらぶあたらしい絵本大賞』で大賞を受賞した絵本『まねてみよう』について質問です。『まねてみよう』を子どもと一緒に読むと、発達面から見てどのような効果が期待できるでしょうか?

 絵本『まねてみよう』はユニークな顔をその顔をまねっこして楽しむ、読者参加型の絵本です。読み進めると驚く変化もあって、子どもウケのいい展開になっています。

ごっこ遊びの説明でも言及しましたが、「模倣」は子どもにとって重要な学習メカニズム。言語習得や社会性、共感能力の土台になります。さらに子どもがまねした姿を見たら、親御さんはついかわいくて笑ってしまいますよね。その笑顔や反応こそが先ほど説明した「インタラクション」になるので、子どもの発育に効果的なんです。

子どもがアクティブに関わる絵本なので、親御さんの読み聞かせも難しくありません。ぜひ親子で楽しみながら、子どもの発育を伸ばしてあげてくださいね。
まねてみよう

まねてみよう

青物横丁(作)

発売日:2026/04/16

価格:定価:本体1600円(税別)

第2回「読者と選ぶ あたらしい絵本大賞」開催決定!

辻晶さんが特別審査員をつとめる『読者とえらぶ あたらしい絵本大賞』の第2回の募集が開始されました!

たえず進化し続けるコンテストとして、今回は「テキスト部門」にかわり「イラスト部門」を設けることに。前回応募ができなかった方々も、卒業制作作品を応募したい方も、ぜひご参加ください!
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山口 真央
やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。