35歳4人家族で貯金150万円 「保険に入っていれば安心」の落とし穴

主婦FP高山一恵のお悩み解決! 家計簿診断Vol.5

ファイナンシャルプランナー:高山 一恵

「我が家は保険に入っているから大丈夫!」は危険? 

数千人の家計簿をみてきた高山一恵さんが、ファミリーの陥りやすい「保険入りすぎ」問題に切り込みます!
今回のご相談者は、栃木県にお住まいの矢部(仮名)さん。「貯金を増やしたいんですがなかなかできず……、保険にはちゃんと入ってるから、もしもの時は大丈夫ですよね?」というご相談です。

さっそく家計簿を拝見していきましょう!
相談者 矢部さん(栃木県在住)
夫35歳(会社員)
妻33歳(専業主婦)
長男3歳
義母70歳(ご主人のお母さま)

栃木県内のメーカーにお勤めの矢部さんご家族。年金生活のお義母さまと同居され、入園前のお子さんの4人家族。ディズニーリゾートが大好きで、年に数回はご家族で遊びに行くのが生きがいというご一家です。

収入
月給手取り 22万円(児童手当含む)
ボーナス手取り 70万円
貯蓄 150万円


現在の家計簿
●食費 3万円 
●光熱費 2万円
●医療費  5000円
●通信費 1万円
●お小遣い・趣味 5000円
●レジャー費 1万円 
●住居費 5万円 
●保険料 5万円(夫婦医療保険・学資)  
●マイカー費 4万円 
●貯蓄 0円
合計 22万円
住居費
住居はお義母さまの持ち家。毎月5万円を家賃として入れており、月に4万円の年金と合わせて、合計9万円の収入を、ご主人のお義母さまは得ています。実はこの9万円が、数字に表れていない矢部家の生活費を支えています。今後の事も考え、お母さまの生活費も使うお金と貯金とに仕分けてはいかがでしょうか。

保険料
収入の20%強にあたる金額の保険料が今回最大の改善ポイント。内訳は生命保険1万円、貯蓄型の保険3万円と、学資保険1万円とのことですが、教育費が増え始めると、払い続けられなくなる可能性が高いです。学資保険も元本割れする保険でした。まだ払い込み期間が浅いので、途中解約しても元本割れのダメージは少なくて済みますので、思い切って保険を切り替えることをおすすめします!

マイカー費 
車3台分のローンと維持費等を月額に換算した数字ですが、やはり高額ですね。お住まいの地域的に削りようがないところが悩ましい! ここは、車の保険内容の見直しといったぐらいでしょうか。

貯蓄
保険料を見直したりして、毎月4万4000円を貯蓄、ボーナスを48万円貯めれば、1年間で約100万円貯まります。確実に貯めるなら自動積立などで先取り貯蓄に。

収入の20%を占める保険料は明らかな払い過ぎ! 保険と貯金は別物です

まず、今回の矢部さんの最大の改善ポイント、それは「保険料」です。なんと収入全体の20%強にあたる金額の保険料を払っておられます。

最初にお伝えしたいのは「保険と貯金は別物」ということ。そうはいっても我が家は「貯蓄型保険だから大丈夫」という方がおられるかもしれませんが、現在は貯蓄型の保険の予定利率がかなり低くなっていて、払い込んだ額よりも、もらえる額が少ない元本割れの商品やほぼ増えない商品が非常に多いのです。矢部さんの入られている保険を調べさせていただいたところ、1本を除いて元本割れ商品でした。

加えて、教育費にもっとお金がかかる10年後、15年後、この保険料を払い続けられるかどうかも考えなければなりません。

お話を伺ってさらに特徴的だったのは、同居のお義母さまの援助が見えない数字としてあること。お義母さまの年金4万円+家賃5万円=9万円が、矢部家の子どもの習い事、外食・レジャー、被服、日用雑貨といった出費を支えているのです。ですが、お義母さまがもっと高齢になって、介護費用などが必要になった場合、今の生活水準は維持できません。

矢部さんご一家には、年に100万円貯める「理想の家計簿」をご提案します!

読者のみなさんも、保険に入りすぎていませんか? 保険は見直すときには手間がかかりますが、一度見直してしまえばその効果は絶大! また、食費や光熱費を節約するよりも、ストレスがたまりません。安易にすすめられるがまま契約してしまった保険は特に要注意です。この記事をきっかけにして、ご自身やご家族が入られている保険内容をもう一度よく確認してくださいね。
1年で100万円貯める!
矢部さんの理想の家計簿

●食費 3万円
●光熱費 2万円
●医療費 5000円
●通信費 1万円
●お小遣い・趣味 5000円
●レジャー費 1万円 
●住居費 5万円
●保険料 6000円(夫婦医療保険・共済)
●マイカー費 4万円
●貯蓄 4万4000円
合計 22万円
●ボーナス貯蓄(年) 48万円

取材・文/安藤 礼子
写真/恩田 亮一

※この記事は、「おともだち2016年8月号」の記事をもとに、2022年2月に高山一恵先生の監修を受け再構成したものです。
たかやま かずえ

高山 一恵

Kazue Takayama
株式会社Money&You取締役・ファイナンシャルプランナー

慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し...

あんどう れいこ

安藤 礼子

Reiko Ando
ライター

1977年埼玉県生まれ。太陽魚座・月射手座、海王星強め。講談社の幼児雑誌「おともだち」をメインに雑誌・絵本の編集、ライティングを担当。...