子育て世代「お金が貯まりません!」 実は浪費の「必要経費」に要注意

主婦FP高山一恵のお悩み解決! 家計簿診断Vol.1

ファイナンシャルプランナー:高山 一恵

自身も働くママで、子育て世代に寄り添うファイナンシャルプランナー高山一恵さんの家計簿診断がスタート! 

第1回は、子育て世代が陥りやすい「あれもこれも必要経費!」問題に切り込みます!
初回の今回は、「貯金がなかなかできない」ということでご相談にいらっしゃった高橋さん(仮名)。

突然ですが、みなさんは、毎月何にいくら使っているのか、どのくらいのペースで貯蓄できているのか、きちんと把握していますか? 仕事に家事にお忙しい子育てファミリーは家計簿をきちんとつけるのは難しいですよね。

高橋さんにまずは1ヵ月分のレシートを集めてもらい、ご夫婦で家計簿をつけていただきました。では、さっそく拝見しましょう!
相談者 高橋さん(東京都在住)
夫35歳(会社員)
妻37歳(専業主婦)
長女5歳(幼稚園)
次女3歳

都内でメーカーの営業職として勤務。1年前に都内に3LDKのマンションを35年ローンで購入済み。

月給手取り 32万円(児童手当含む)
ボーナス手取り 50万円


現在の家計簿
●食費 3万円
●日用雑貨費 3万円
●光熱費 1万3000円
●交際費 1万円
●美容費 5000円 
●雑費 1万円(新聞代・被服費など)
●通信費 4万円
●レジャー費 3万円
●住居費 9万円(管理費・修繕積立金込み)
●子ども費 5万円(教育費など)
●保険料 1万5000円(夫婦医療保険・共済)
●その他 3万円(臨時出費・冠婚葬祭費用)
合計 35万3000円
日用雑貨費
今回一番おや? と思った項目です。高橋さんは、ドラッグストアや100円ショップが大好きで、そこで買うお菓子代も日用雑貨費に含まれています。日割りにすると1000円前後。ちょこちょこ買われているそうですが、これは、あなどれません。ドラッグストアやコンビニなど、よく行く店ごとにレシートを集計してみましょう。1ヵ月で集計すると思わぬ額になっていることがあります。冷静に考えたら買わなくてよかったものにチェックマークをつけてみましょう。次の買い物の時にセーブがかかりますよ!

光熱費
電気・ガス料金がはね上がる冬の時期ですが、電気のアンペアを下げてしっかり抑えていました。この点は、素晴らしいです!

子ども費
割合からみると、高橋さんの収入では幼稚園のお嬢さんに対し5万円の子ども費は高いでしょう。(現在「幼児教育・保育の無償化」が行われており、基本的に幼稚園・認可保育園に通っている場合、3〜5歳児クラスの利用料は無料)。お子さんが幼稚園に通いはじめると、英語にプール、リトミック等々いろいろ通わせたいのが親心。しかしながら、子ども費で最大の山場は大学や専門学校の学費です。月々の生活費から大学や専門学校の学費を捻出すると赤字に転落してしまうため、大学に入学する18歳までに教育資金として300万〜500万円を準備しておくのが理想です。お子さんが小さいうちは、習い事を厳選し、将来の教育費のために貯畜することをおすすめします。

保険料 
すでに住宅ローンを組んでおられる場合、実は高い生命保険は不要だったり、病気の保険も公的保険などで十分カバーできたりするケースも少なくありません。ファミリーは必要以上に入りすぎの傾向が。保険を見直すことが実は家計の黒字化に一番近道な場合も多いんですよ。

通信費
通信費が高めです。格安スマホなど使用するとかなり通信費は抑えられます。現在は大手キャリアと遜色ないクオリティなので、ぜひ検討してみましょう。

その他
この月はご主人がご友人の結婚式に出席され、ご祝儀が例月よりかかっています。ファミリーになると冠婚葬祭は2倍! 家族全員でおよばれすることもありますよね。毎月3000円でも5000円でも臨時出費貯金として積み立てておくと、赤字になる月を防ぐことができます。

まずは、レシートを集め、家計を把握できたら「理想の家計割合」と見比べてみましょう!

高橋さんは今月は予定外の出費(ご祝儀)で-3万3000円の赤字になってしまっていましたが、実際の家計簿を書きだしてみると、「日用雑貨費」「子ども費」など、ご本人としては「必要経費」という認識でも、実際は予算超過している項目が分かります。高橋さんには下記のような「理想の家計割合」をお伝えし、改善にむけてのアドバイスをしました。

朝は戦場のようにして仕度して、幼稚園に連れていって、家事をして、パートをして、公園に連れて行って、PTAに出て、ごはん作って、風呂に入れて寝かしつけて……。いつ家計簿をつけるんじゃい! と、思っておられる方ばかりだと思います。そのお気持ちすごくわかります。

でも、家族のハッピーのために、レシートを集めるだけでいいので、ざっくりとでよいので、日々の生活費をこの機会に洗い出されてみてはいかがでしょうか。
理想の家計割合
収入をもとにした各項目の家計割合および、高橋家の収入の場合の金額を算出しました。赤字の項目が現状、超過している部分です。みなさんも月収入に理想の割合値をかけると各家庭ごとの金額が出せますよ。せっかくの家計簿もつけて満足しただけではつけ損なので、理想の家計割合値と比べたり、無駄がないか支出を見直してみましょう!

●食費 10% 3万2000円 
●日用雑貨費 5% 1万6000円
●光熱費 5% 1万6000円
●交際費 10% 3万2000円
●美容費 5%以内 1万6000円
●雑費 5%以内 1万6000円
●通信費 5%  1万6000円
●レジャー費 10%以内 3万2000円
●住居費 25~30% 8万円~9万6000円
●子ども費 8% 2万5600円
●保険料 3% 9600円
●貯蓄 15% 4万8000円

取材・文/安藤 礼子
写真/恩田 亮一

※この記事は、「おともだち2016年4月号」の記事をもとに、2022年2月に高山一恵先生の監修を受け再構成したものです。
たかやま かずえ

高山 一恵

Kazue Takayama
株式会社Money&You取締役・ファイナンシャルプランナー

慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し...

あんどう れいこ

安藤 礼子

Reiko Ando
ライター

1977年埼玉県生まれ。太陽魚座・月射手座、海王星強め。講談社の幼児雑誌「おともだち」をメインに雑誌・絵本の編集、ライティングを担当。...