子どもに習い事を色々させたい→習い事は家計圧迫危険度No.1

主婦FP高山一恵のお悩み解決! 家計簿診断Vol.2

ファイナンシャルプランナー:高山 一恵

ちょっと待って、その習い事は本当に将来への投資になっていますか? 

数千人以上の家計簿を鑑定してきた高山一恵さんによる家計簿診断、好評第2弾!

今回は子育てファミリーが陥りやすい子ども費のブラックボックス化をとりあげます!
主婦ファイナンシャルプランナーの高山一恵です。今回のご相談者・山田さん(仮名)ご一家は非常に教育熱心で、習い事代&塾代など毎月の子ども費が8万円かかっているそうです。また雑費として計上されている費用4万円のほとんどが子ども服代のようです。

これまで数多くの家計を拝見してきまして、意外に多かったのですが、一見、地味に生活しているけど、子どもにお金をかけ過ぎて家計を圧拍しているご家庭です。私も息子がいますので、習い事をいろいろさせたくなるお気持ちわかります!

だけど、ちょっと待って! 子ども費はかければかけるだけいいものなのでしょうか? 答えはノー! お子さんのこととなると、みなさんとたんにブラックボックス化してしまい、お金をかけてしまいがち。子ども費が子育てファミリーの家計を圧迫している原因ということが実は多いんです。そんな視点で、今回の山田さんの家計簿を拝見したいと思います!
相談者 山田さん(東京都在住)
夫32歳(団体職員)
妻30歳(専業主婦)
長女7歳(小学校)
長男4歳(幼稚園)

都内で団体職員として勤務されている山田さんご一家は、非常に教育熱心。「夫と自分にお金をかけるよりも、まず子どもに投資したい!」という考え。毎月の赤字はボーナスで埋め合わせて、足りないところは貯蓄を崩している状況です。3年前に都内に3LDKのマンションを35年ローンで購入した際には、貯金の大部分を頭金にされたそうです。

月給手取り 30万円(児童手当含む)
ボーナス手取り 100万円
貯蓄額 150万円


現在の家計簿
●食費 3万円
●日用雑貨費 1万円
●光熱費 1万5000円
●美容費 5000円
●医療費・介護費用 5000円
●雑費 4万円 (子ども服)
●通信費 2万円
●お小遣い・趣味 3万円
●レジャー費 1万円
●住居費 8万円(管理費・修繕積立金込み)
●子ども費 8万円(教育費)
●保険料 3万円(夫婦医療保険・共済)
●ローン返済 5万円(住宅ローンを除く)
●マイカー費 3600円
合計 40万8600円
雑費
主にお子さんの衣類です。デパートなどに入っているブランドで子ども服を購入されています。習い事の発表会用の衣装代などもあるそうです。今はリーズナブルでも、おしゃれでセンスのいい子ども服がたくさん手に入りますよね。インターネットのショッピングサイトで手頃なものを探してみたり、フリマアプリなどを使いこなしたりして、ここは減らしていきましょう。

お小遣い・趣味
食費、光熱費など、できるところは切り詰めている山田家。将来的にさらに学費が必要となった場合はパパへのお小遣いを削る予定とのことですが、ここは削れたとしても大きい金額ではないわりに、ご主人のモチベーションダウンが大きくなることが予想されます。家庭円満のためにもおすすめできません。

子ども費
山田さんご一家は現在お子さんを幼児教室、音楽教室、スイミングスクール、バイオリン教室、体操教室に通わせています。これらの習い事をこなせているお子さんたち、素晴らしい! ですが、本当に学費が必要になるのはもっと大きくなってから! 子どもが小さいうちはとにかく取捨選択をして使い過ぎないように! 山田さんご一家の収入に応じた理想の子ども費は2万4000円から3万円です。子どもに関することではお財布がゆるみがちなので、慎重に選ぶクセを身につけましょう。

ローン返済・マイカー費
ローンで購入し、主に子どもの習い事の送り迎えで使用されています。確かにあると便利ですけど、都心にお住まいで他の支出を鑑みるとここは削れるポイントでしょう。現在はカーシェアリングなどのサービスも普及しているのでこの際、習い事を減らしつつ車を手放すことを検討してみるのはいかがでしょう?

赤字
家計破綻予備軍です! 赤字分をボーナスで補てんしたり、貯蓄の150万円を切り崩している状況は危険です。このままでは2~3年で貯金が底をついてしまいます。家計バランスが悪いので、月の収入に見合った生活に切り替え、ボーナスから補てんする生活は一刻も早く脱却したほうがよいでしょう。

教育費は月収の8〜10%以内が理想

山田さんが赤字でも、そこまで危機感がないのは、子どもの将来のための投資である教育費・子ども費が原因であるためと考えられます。しかし、このままでは、家計が成り立たなくなってしまいます。習い事は月謝以外にも、道具や衣装代、交通費などの出費もかかります。

「我が家の収入では子どもにいくらかけられるのか」から、適正な金額を見直してみましょう。子ども費は、手取り月収の8%~10%以内が理想です。山田さんの収入ですと、お子様1人あたり、1〜2個の習い事が適正でしょう。本当に通わせる必要があるのか、慎重に判断して習わせてあげたいものですね。

世の中が不安定になるとこどもに未来を託し、あれやこれやとお金や夢をかけてしまいますよね。ですが、十分な貯蓄をしないまま、お子さんに必要以上のお金をかけるのはとっても危険なんです! 子どもに本当にお金がかかるのは大学生以降です。そのために高校卒業後に進学する場合、18歳までに500万円は用意する必要があるといわれています。

今すべきなのは、過度に子どもにお金をかけ過ぎずに、本当にお金がかかる将来のために、貯蓄もしっかりすることです。ハッピーな未来のためにここは賢く! 頑張りましょう♪
取材・文/安藤 礼子
写真/恩田 亮一

※この記事は、「おともだち2016年5月号」の記事をもとに、2022年2月に高山一恵先生の監修を受け再構成したものです。
たかやま かずえ

高山 一恵

Kazue Takayama
株式会社Money&You取締役・ファイナンシャルプランナー

慶應義塾大学文学部卒業。2005年に女性による女性のためのファイナンシャルプランニングオフィス、株式会社エフピーウーマンの設立に参画し...

あんどう れいこ

安藤 礼子

Reiko Ando
ライター

1977年埼玉県生まれ。太陽魚座・月射手座、海王星強め。講談社の幼児雑誌「おともだち」をメインに雑誌・絵本の編集、ライティングを担当。...