30歳から英語を習得したママが教える 大人の学び直し「やっていいこと」「ダメなこと」

英語力アップのコツは○○の勉強法と同じ! 子育てしながら英語を学び直しする方法 #2

食器洗いは“ながら勉強”の中でも英語の勉強が深くできるタイミングです。 写真:アフロ(イメージ)

高校時代は理数系クラスに在籍し、英語は大嫌いだったと話す神本亜紀さんは、2人目のお子さんを出産した30歳から英語を学び直し、現在は通訳者・翻訳家として活躍しています。

神本さんが英語を学び直しした理由には、子どもの英語教育をするにあたって、親もある程度の英語力がないとダメだと自覚したことなどがありますが、どんな背景があるにせよ、育児をしながら勉強するのは並大抵のことではありません。

連載2回は、神本さんの英語勉強のコツを深掘りしていきます(全3回の2回目、#1を読む)。

◆神本亜紀(かんもと あき)
通訳者、翻訳家
大学で心理学を専攻しカウンセラーを志すも、学生時代に夫と出会い、卒業後に結婚・出産。2人目の子どもを出産後、30歳から英語を真剣に学び直しし始める。現在は社内通翻訳者として勤務するかたわら、フリーランス通訳者として各種国際イベントなどで活躍。英検1級、TOEICは990点(満点)。英語はいまでも毎日、アップデート中。

【子育てしながら英語を学び直しする方法:第1回 第3回を読む】
※公開日までリンク無効

英語学習をするなら“文字と音声”が基本! ポイントは音声付きの教材を選ぶこと!

神本さんがおすすめする英語勉強法は、精読(リーディング)とリスニングを偏ることなく勉強することです(#1を読む)。

精読とは学校で学習したような英文読解を指します。英文に使われている単語や文法、構造に注目して、わからない部分を調べて、ひとつひとつ理解しながら読み進める作業のことです。一方、リスニングは英語の聞き取りです。

「語学はリーディングだけやっても、リスニングだけやっても意味がないんです。読んだものと聞いたものを一致させて、どちらも理解できないとレベルは上がっていきません。ですから、教材は音声付きのものを選ぶことが大切です。

子どもが小さいときは、彼らが寝ているときが私の勉強時間でした。寝ているときは音を立てられませんから、ひたすらリーディングをやっていたんですが、この勉強を中心にするとある程度から英語のレベルが上がらなくなるんです。

TOEICでいうなら700点台が限界です」(神本さん)

音読が英語のレベルをアップさせる!?

神本さんによると、精読して単語や文法、構造を理解し自分のリズムで読めたとしても、リスニングのリズムについていけなければ、耳で聞いたものは何を言っているかわからない状態のままだといいます。

これを打破した方法が音読です。精読したテキストをがっつり見ながら、リスニングした音声とまったく同じように声に出してみたんです。そうしたら、あっという間にTOEICは900点を超えました」(神本さん)

中学時代の英語の授業で、音声を聞いて“Repeat after me”で音読をした人は多いはずです。神本さんの勉強法を改めて見渡すと、学校で学習したような精読(英文読解)とリスニング(聞く+音読)をやっていたことに気づきます。

授業を受けていたころは遠回りに見えた学習法が、実は英語力アップの近道だったといえます。

英語の勉強は精読→リスニングの順が正解

「リスニングは耳で聞くことですから、“ながら勉強”が可能です。でも、ただ聞いているだけでは学びが中途半端に終わります。リスニングをする前には、教材を精読してまずは理解することが大切です」(神本さん)

精読をしないと、どれだけ音を聞いていてもたまに単語が聞こえる程度にしかなりません。英語は別の言語ですから、机に座って英文を読み、単語と文法を調べて意味を理解する「インプット作業」から始めるのが正解です。

「リスニングは、精読あってこそ活きてきます。私は精読のことを『しっかり勉強』といってますが、毎日5分でも10分でもしっかり勉強をしてから英語を耳で聞くと、その日の学びが違ってきます」(神本さん)

精読は自分の英語レベルより少し上のものを勉強するのがポイントです。新しい単語やイディオムを覚え、それを声に出すことで知識の定着を図ります。

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