「黒魔女さんが通る!!」「JC紫式部」の石崎洋司先生 Q&A

青い鳥文庫の大人気シリーズの制作秘話や作家のお仕事にせまります! 

青い鳥サポーターズのみんなから募集した〈石崎洋司先生への質問〉の中から、5つの質問に答えてもらいました!

◆小説家をめざそうと思ったきっかけはなんですか?また小説家になるために必要なことがあれば教えてくださ!!!〈kyo 中2〉

石崎先生

ある有名なRPGをプレーしたときですね。最後のボスキャラをやっとのことで倒して、「ああ、おもしろかったなぁ」って、しみじみとエンディング画面を見ていたときに思ったんです。「こんなにゲームがおもしろいなら、子ども向けのお話ももっとおもしろくなるべき。だったら自分で書こう!」って。
小説家になるために必要なことは「経験」だと思います。とにかくたくさん本を読んで、いろんなストーリー、いろんな表現、いろんな場面のパターンを頭に入れる。それと、まわりをよく観察して、人はどんなときにどんなことをいい、どんな表情、どんなしぐさをするかを頭に入れる。そういう「経験」が積もり積もってお話になるような気がします。

◆「黒魔女さん」学校でも人気です。わたしも大好きです。どうしたらあんなにおもしろい本が書けるようになりますか? 〈まんじゅう 小5〉

石崎先生

これはむずかしい質問!(笑)なぜって、ほんとうに笑ってもらえるかどうか、いつだって不安だからです。なので、たいていウンウンうなりながら書いています。おもしろいシーンも目を三角にして書いています。でも、ギャグで有名な作家さんも同じことをいっていましたから、おもしろいお話というのは、頭をかかえて、これで笑ってもらえるのか、こわい顔で悩みながら書くもののようですね。

◆煮詰まったときのリラックス方法はありますか?〈ぺんこ 小3〉

石崎先生

アイデアがわかない、上手に書けない、おもしろいお話に展開してくれない……。そういうときはとにかく本を読みます。困っていることとはまったく関係ない本でもかまいません。むしろそのほうがいいかもしれません、ちがったものの見方ができるので。本はすごいです。小説の書き方どころか、生きていく上でのヒントや解決法も、たいてい本の中で見つかります。最低でも「こんなことで悩むのはやめよう」って気分にしてくれますから。

◆先生の作品は、キャラクターが魅力的だと思います。先生は、キャラの設定などをどの段階で詰めていますか?黒魔女さんのスピンオフでは、本編とは違う一面が引き出されていました。そのキャラ設定は本編執筆の時点で、決めていたのでしょうか。それとも、スピンオフにあたり練り直されたのでしょうか。〈筋肉痛 26歳〉

石崎先生

キャラの設定は、書く前にだいたい決めてはあります。そうじゃないと書きはじめられませんからね(笑)。ただ、書いているうちに「あ、この子はこういう性格だったんだ」と気づくことがあるんです。それによってキャラ設定が広がることはあります。その典型が「黒魔女さん」では大形くんですね。
スピンオフでのキャラ設定も同じです。練り直すというより、脇役から主役になると「ほんとはこういう子だったんだ」と発見するんです。実際の人間関係でもありませんか? ××な性格なんだろうなと思っていた人が、深く関わってみたら、思いもよらない性格だったことに「感動する・好きになる・あきれる・きらいになる」ってこと。それと同じ感覚です。

◆怖い本を書かれている先生が、いままで読んだ中で一番怖かった本はなんですか? 〈雪羅 小6〉

石崎先生

ジェイコブズの『猿の手』という短編はこわいですね。ネタバレになるので説明はできないのですが、いわゆる「3つのお願い」という物語パターンのこわい版で、ホラー小説の古典ともいわれています。このお話の後半のモチーフを長編にしたような『ペット・セマタリー』(スティーブン・キング)も、怖くて、悲しくて、大好きなお話です。

質問をおくってくださったみなさん、ありがとうございました! 青い鳥サポーターズでは、いろんな企画を計画中だよ! お楽しみに。