ご当地キャラが大さわぎ! 東北はっけん☆ミステリー【福島編 第2回】

「キビタンと福島の雪うさぎ」五十嵐美怜(いがらしみさと) (2/4) 1ページ目に戻る

作家:五十嵐 美怜

キビタンはきょろきょろとあたりを見回し、木や岩のかげをさがします。

「おーい、雪うさぎさーん! 今年も会いにきたよー!」

と声をかけましたが、やっぱり雪うさぎさんはどこにもいません。

しばらくさがしていると……。

「おめぇさん、雪うさぎさん、さがしてるだな」

うしろからとつぜん、しわがれ声が聞こえてきました。キビタンがふりかえると、そこにいたのは山の長老です。長老はこの山でとっても長く生きているおじいさんで、タヌキのような、キツネのような……はたまたサルのような姿をしています。だれよりも長くこの山で暮らしていて、山のことならなんでも知っています。

「長老、お久しぶりです。そうなんです。雪うさぎさん、いつもこのあたりにいるのになぁ」

キビタンが言うと、長老は長いひげをゆらしながら、ゆっくりと口をひらきました。

「ことしの冬はな、あったかくてゆきがたんにくて、雪うさぎさんはがおってるんだ」(※今年の冬は、あたたかくて、雪が足りなくて、雪うさぎさんは体調がすぐれないんだ)

「雪うさぎさんが?」

「冬がなぐなれば、春もなぐなる……」

その意味が、キビタンの胸に重く落ちました。
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