『NO.6』新シリーズ#2の発売が決定!あさのあつこが明かした紫苑とネズミの「秘密」 2人の「再会」は救いか呪いか

岡山県美作市でおこわなれた『NO.6』読書会をレポート

児童図書編集チーム

あさのあつこさん。ほたる館に貼られた『NO.6』のポスターとともに。
すべての画像を見る(全8枚)

累計発行部数150万部を突破した、大ベストセラー小説『NO.6』。『#9』まで続いたシリーズは、ファンに惜しまれながらも、2011年に幕を閉じました。

そして2025年、続編の『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズが再始動します!

『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』の発売がXで告知されると、たちまちトレンド1位に! Amazonの売れ筋ランキングでも、第1位(SF・ホラーファンタジー2025年2月5日調べ)に輝きました。

さらに2025年9月3日には『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』も刊行予定。勢いがとまりません!

そんな『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズの出版を記念し、2025年6月に岡山県美作市にある「ほたる館」にて、あさのあつこさんを交えた読書会がおこなわれました。

「ほたる館」は、美作市在住のあさのあつこさんの作品がメインに置かれている、本好きの集まる場所です。この記事では、読書会に集まった方々があさのさんに伝えた質問や感想と、あさのさんの回答をレポートします。

ガザ地区の惨状を見て「書かなきゃいけない」と思った

Q.『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』の冒頭で、誰かが書棚から本を出すシーンがありますが、主語が描かれていません。誰なのでしょうか。

あさの「本がでたあとに内容をどう捉えるかは、作者の問題ではなく読者の問題なんです。だから読者のみなさんが『いい』と思ってくださったら、その読み方が一番正しいと私は思います。

ただ、私は同じ文章を3章でも描いています。冒頭から紫苑(しおん)の話が続きますが、3章のこの文章のあとは、ネズミの話に転換します。

紫苑とネズミのシーンをうまく繫げたいと思って書いた、技巧的な文章だと私は捉えています」

Q.以前インタビューで『NO.6』シリーズを描かれたのは、2001年にあった同時多発テロ事件がきっかけだとおっしゃっていましたが、『NO.6[ナンバーシックス]再会』の執筆にも、外的要因があったのでしょうか。

あさの「ガザ地区の問題に動かされました。子どもたちがいるということがわかっていながら、ミサイルを打ち込んで命を奪い、瓦礫の山にしていく、父や母を奪って孤児にしていく。

そんな惨状をリアルタイムで見たとき、『NO.6』の続編を書かなきゃいけないと思ったんです。

独りよがりかもしれませんが、書けるのは私だけだという思いが、前にすすむきっかけになりました」

戦争や未知の病…『NO.6』は未来を予見していた?

前へ

1/3

次へ

27 件