『NO.6』続編#2刊行直前! 「私の『NO.6』がそこにあった」あさのあつこを支えた読者の言葉

『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』著者あさのあつこインタビュー

ライター:山口 真央

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累計発行部数230万部を突破したディストピア小説の金字塔『NO.6』シリーズ。

2025年5月に発売した続編は、SNSで告知されると、たちまちトレンド1位に! AmazonでもSF・ホラー・ファンタジーのカテゴリで1位(2025年6月6日調べ)、ジュンク堂池袋本店でも総合1位(2025年6月2日調べ)を獲得するなど、一大ブームを巻き起こしています。

そんななか、2025年9月3日には、早くも『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』を刊行することが決定! 作者のあさのあつこさんに、いまの心境を伺いました。

読者の感想が『NO.6』を書き上げる「覚悟」になりました

──2025年5月に『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』が刊行されました。初夏にはあさのさんをお招きしたサイン会やトークショーなどがおこなわれ、読者の方と交流する機会が多かったと思いますが、いまの心境をお聞かせください。

あさの:書いているあいだは、原稿のことだけに集中していました。けれども書き終えて本になってみると、ある不安に襲われました

以前から『NO.6』を好きといってくださる方々が、作品のことを本当に大切に思っていることは、私にも伝わっています。続編を書くことで、みなさんの思いや想像を裏切ることにならないか、心配になったのです

しかし『NO.6[ナンバーシックス]再会#1』を刊行したあと、読者ハガキやサイン会での会話、SNSへの投稿で、嬉しい感想をたくさんいただきました。「私の『NO.6』がそこにあった」、「『NO.6』の地平のなかに紫苑とネズミはちゃんと生きていた」などなど……。

みなさんの感想を読んで感激しましたし、ほっとしました。ありがとうございます。また、読者のみなさんの思いを引き受けて、今度こそ『NO.6』を描き切らなくては、といった覚悟も生まれました。

──『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズの刊行を記念して、アニメ「NO.6」で紫苑を演じた梶裕貴(かじゆうき)さんの対談、そしてネズミを演じた細谷佳正(ほそやよしまさ)さんとの対談(2025年9月3日、10日に当サイトで公開予定)がおこなわれました。

あさの梶さんも細谷さんも『NO.6[ナンバーシックス]再会』シリーズを読み込んで、たくさん質問を投げかけてくださって、ありがたかったです。また今回の対談で、梶さんのお子さんの話や、細谷さんが「NO.6」のオーディションを受けたときのお話など、初めてお聞きすることもたくさんあり新鮮でした。

『NO.6』を描いていない期間、紫苑とネズミの話し声が、梶さんと細谷さんの声で聞こえてくることがありましたが、おふたりもアニメ「NO.6」で紫苑とネズミを演じたことを大切に思っていることを知り、胸が熱くなりました。細谷さんとの対談は、9月に公開される予定です。

──2025年9月3日には『NO.6[ナンバーシックス]再会#2』が発売されますが、読者の方々にメッセージをお願いいたします。

あさの:いつも『NO.6』を愛してくださって、ありがとうございます。みなさんが届けてくださる言葉が、とても励みになっています。『#2』では、紫苑やネズミ、イヌカシだけでなく、火藍(からん)や意外な登場人物の姿もお届けできると思います。ぜひ楽しみにしていてください。

あさのあつこ
岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991年『ほたる館物語』で作家デビュー。97年『バッテリー』で第35回野間児童文芸賞、2005年『バッテリーⅠ~Ⅵ』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説までさまざまなジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。

シリーズ累計230万部超え、2人の少年の友情を超えたディストピア小説の傑作

【電子書籍特典ショートストーリー付】 

・『NO.6再会#1』発売告知後、即Xでトレンド1位!
・『NO.6再会#1』Amazon1位(SF・ホラー・ファンタジー6月6日調べ)
・『NO.6再会#1』ジュンク堂池袋本店総合1位(2025年6月2日調べ)
・『NO.6再会#1』トーハン週間ベストセラー文芸書2位(2025年6月3日調べ)

度重なる戦禍で地球環境が壊滅した世界に生きる紫苑とネズミ。「NO.6」のエリートとして育てられた少年・紫苑(しおん)と、「NO.6」の外に広がるスラム地区「西ブロック」に住むミステリアスな少年・ネズミは、腐りきった偽りの理想都市を崩壊させた。二人は、新世界を再構築できるのか。真っ直ぐすぎる二人の未来の命運をわける2巻。

──きみは、ぼくを摑めないと言ったけれど、ぼくにとっては、きみこそが謎だ。確かに存在しているのに決して手に入らない。

●「NO.6」シリーズ読者からの感想
「たくさん本は読んできたけれど、これ以上面白い本に出合ったことがない」
「呼吸を楽にしてくれた本」
「死にたくなったらネズミの言葉を思い出します。逃げずに前へ進め! 現実を見ろ!
どんなに現実が辛くても光を見いだせる人になりたいと思います」
「泣きたくなった夜に読みます。おまえはどうありたいんだ? いつでも自分にできることを問いかけ、動きつづけたいと思います」

●あさのあつこさんからのメッセージ
声を聞きました。ネズミの声です。
「生きる場所も死ぬ場所も自分で決める。あんたじゃなくおれが決める。余計なお節介は止めてもらおうか」と。
そうか、彼らはすでに出逢い、運命を紡ぎ始めているのか。
だとしたら、わたしも、もう一度だけ、本当にもう一度だけ、彼らに手を伸ばそう。この手で彼らの生に触れてみよう。
『NO.6』の作者として戦ってみよう。あれほど恋い焦がれた少年たちに挑んでみよう。
今はただ、それだけを考えています。
14年の時を経て、あなたに再び『NO.6』を届けます。

人物撮影/柏原力(講談社写真映像部)

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やまぐち まお

山口 真央

編集者・ライター

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。

あさの あつこ

Atsuko Asano
作家

岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。

岡山県生まれ、在住。大学在学中より児童文学を書き始め、小学校講師ののち、1991 年『ほたる館物語』で作家デビュー。97 年『バッテリー』で第35 回野間児童文芸賞、2005 年『バッテリーI~VI 』で第54回小学館児童出版文化賞を受賞。『NO.6』シリーズは、コミカライズ、アニメ化された。児童文学から時代小説まで様々なジャンルの作品を執筆し、幅広い世代に親しまれている。