
【不登校】親が知るべき3つのポイント 子どもの成長に欠かせないものとは? 専門家が解説
2025.08.29

不登校の児童は文科省調査で過去最多の34万人超え。学校へ行けない・行かない子どもたちに、大人はどう対応すべきでしょうか。「不登校生動画甲子園」の発起人で、不登校の子どもや若者、親など400名以上に取材を行なってきた石井しこう氏が解説します。
表彰式から見えた子どもたちの「今」
8月24日に横浜市で開かれた「不登校生動画甲子園 2025」表彰式(主催:TikTok|不登校生動画甲子園事務局)では、432本の応募作品の中から8本のファイナリスト作品が上映されました。
ステージに立った子どもたちは「まわりと違うことは恥じることじゃない」「不登校で見つけたことは自分自身でした」といった言葉を語り、自らの思いをまっすぐに社会に投げかけてくれました。
最優秀作品賞に選ばれたのは、新潟県の中学3年生・ひなさん(15)の動画でした。
小学生のころ、容姿に関する悪口などいじめに苦しみ、不登校になった彼女。ベッドから起きられない日々が続くなかで支えとなったのは、幼いころから好きだった「絵」でした。
受賞後、ひなさんは「どうしても伝えたいのは、逃げて幸せになっていいんだ」と語りました。審査員のロバート・キャンベルさんも「完成度がとても高く、何度も見て魅力にハマり込んでいった」と評価しました。
大会を通じて私があらためて感じたのは、子どもには「出番」と「居場所」が必要だということ。そしてその「居場所」を支えるものこそ、家庭での親子のコミュニケーションだということです。
子どもの成長に欠かせない「出番」と「居場所」
「居場所」についてはなんとなくわかる人でも「出番」についてくわしい人は少ないでしょう。
「出番」とは、子どもが「今日は自分が主役になれる」と感じる瞬間のことです。
勉強が得意な子にとってはテストの日、スポーツが好きな子にとっては体育祭やクラブ活動の日。得意なことが活かされる場面において、子どもは驚くほどの集中力と吸収力を発揮します。
出番によって自己効力感が高まり、「困難な状況でも自分なら乗り越えられる」という、自分への信頼感のようなものが育まれるのです。
この「出番」は、リアルな場だけに限りません。動画制作や投稿といったデジタルの場でも、子どもたちは自分の出番を見出しています。

動画甲子園に参加した子どもたちは、動画制作を通じて、自分の思いを誰かに届ける喜びや、自分の声を聴いてくれる人がいるという実感を得ていたようです。
そしてなによりも「不登校をした私にしかできないことがある」と感じられたことが、大きなやりがいにつながったでしょう。
子どもが安心して過ごせる場所
一方、「居場所」とは、子どもが安心して過ごせる場所のことです。
失敗しても責められず、うまく言葉にできなくても、そっと見守ってくれる。そんな無条件で肯定される場所です。
居場所の代表格は、なんといっても家庭です。しかし、家庭が「安心の場」となるためには、親子のコミュニケーションのあり方がとても重要になります。
いま、自身のお子さんや周囲の子のなかで学校に行きしぶっていたり、不登校だったりする場合は、居場所をつくるための親子コミュニケーションを意識していただければと思います。それは「勉強」や「規則正しい生活」を強いるよりも、不登校の子にとっては効果的な対応になるはずです。
コミュニケーションのポイントを3つ挙げます。