4男児のシングルファザー・前田顕蔵がさらす“子育てSNS”から目が離せない! 映えない「むき出しの子育て」に共感が集まる理由

4男児のシングルファザー・前田顕蔵さんインタビュー #1「SNSで子育てを配信する理由」(全3回) (3/3) 1ページ目に戻る

プロコーチ:前田 顕蔵

「子育てしていると、うまくいかないことが山ほどある。けれど、うまくいった日は胸がいっぱいになるほどうれしい。

その振れ幅を、たった一人で抱えて進んでいくのはあまりにも孤独でした。だから、オープンにして残していこうと。いろんな人に見てもらいながら、そのときの気持ちも一緒に置いていこうと思ったのが始まりです」(顕蔵さん)

妻が亡くなって4ヵ月後、四男が1歳4ヵ月のころ。夜中のミルク、オムツ交換、夜泣き、兄弟のトイレ対応……。育児は24時間ノンストップで続いた。  引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda
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実は顕蔵さんは、長くプロバスケットボール界で指導者を務めてきた人物です。けれど、インスタではその華やかなキャリアを出すことはほとんどありません。

「夜中に四男のミルクをあげながらバスケの選手やコーチのインスタを見ていたら、かっこいい瞬間ばっかりで『噓つけ』と思ったんです(笑)。今の、自分の現実は全然違う。だったら、このリアルを出していこうとも思いましたね」(顕蔵さん)

イライラも悲しみも喜びもそのまま残していく。「メッセージをもらったり、育児を通してつながる人が増えていく中で、その孤独感は少しずつ薄れていったように思う」(顕蔵さん)  引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda

顕蔵さんがインスタを“公開”にしているのは、「アルバムでもあり、遺書的な意味合いも兼ねている」と話します。

自分の姿もできるだけ載せるのは、いつか子どもたちが振り返ったとき、「育ててくれた親の姿」が見られるように。もし自分に何かあったとしても、そこには父としての日々が残る。

亡き妻のことも、折に触れて投稿するのは、彼らの中の母の記憶が薄れていくのがいやだから。きちんと言葉にして、子どもたちに手渡しておきたいという気持ちがあるのです。

誕生日など折に触れて、自身や妻の思いを子どもたちに伝える。「寝る前に仏壇の前で四男と話した。四男の耳元で小さくささやいた。そして四男が同じ言葉をささやいた。『母ちゃん産んでくれてありがとう。大好きだよ』。母ちゃんはね、あなたを大好きだから今日はとっても嬉しい日なんだよと伝えた」  引用:本人のインスタグラムより@Kenzo Maeda

もうひとつ、公開にしている理由があります。妻が亡くなった後、専門学校時代の先生から「私も妻を亡くしている」と連絡が届きました。

「“同じ人いるんや”って、それだけで勇気をもらったんです。きっとほかにもいるはずやなって」(顕蔵さん)

自分の発信が、どこかで誰かの支えになるかもしれない。その思いもまた、インスタを開いている理由のひとつです。

そんな顕蔵さんですが、最初から今のように子ども中心の生活を送る父親だったわけではありません。かつては、子育てとの向き合い方も今とは少し違っており、「妻からよく怒られていた」と笑います。

妻との日々、そして死という別れを経て、4人の息子と向き合う生活はどのように始まったのでしょうか。次回は、顕蔵さんがシングルファザーとして歩み始めたこれまでの道のりを伺います。

取材・文/稲葉美映子

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前田 顕蔵
まえだ けんぞう

前田 顕蔵

KENZO MAEDA
プロコーチ

1982年大阪府生まれ。プロバスケットボール指導者。 小学校4年生時にバスケットボールを始め、さらなる高みを目指し20歳で渡米。ネブラスカ州立大学カーニー校で研鑽を積み、帰国後、2007年よりアシスタントコーチとして指導者キャリアをスタート。 プロ男子バスケットボールリーグであるバスケットボールBリーグ・高松ファイブアローズ(現・香川ファイブアローズ)に2008年に加入し、2011年からヘッドコーチに就任。2015年より秋田ノーザンハピネッツのアシスタントコーチに就任。2019年から同クラブのヘッドコーチを務める。2021年にはバスケットボール男子日本代表アシスタントコーチも歴任。2025年12月、秋田ノーザンハピネッツ退任。2026年4月、台湾へ移住。女子台湾代表ヘッドコーチに就任。 シングルファザーとして4人の男子を子育て中。 <公式Instagram> https://www.instagram.com/kenzo627/

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1982年大阪府生まれ。プロバスケットボール指導者。 小学校4年生時にバスケットボールを始め、さらなる高みを目指し20歳で渡米。ネブラスカ州立大学カーニー校で研鑽を積み、帰国後、2007年よりアシスタントコーチとして指導者キャリアをスタート。 プロ男子バスケットボールリーグであるバスケットボールBリーグ・高松ファイブアローズ(現・香川ファイブアローズ)に2008年に加入し、2011年からヘッドコーチに就任。2015年より秋田ノーザンハピネッツのアシスタントコーチに就任。2019年から同クラブのヘッドコーチを務める。2021年にはバスケットボール男子日本代表アシスタントコーチも歴任。2025年12月、秋田ノーザンハピネッツ退任。2026年4月、台湾へ移住。女子台湾代表ヘッドコーチに就任。 シングルファザーとして4人の男子を子育て中。 <公式Instagram> https://www.instagram.com/kenzo627/

稲葉 美映子
いなば みおこ

稲葉 美映子

ライター

フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。

フリーランスの編集者・ライターとして旅、働き方、ライフスタイル、育児ものを中心に、書籍、雑誌、WEBで活動中。保育園児の5歳・1歳の息子あり。趣味は、どこでも一人旅。ポルトガルとインドが好き。息子たちとバックパックを背負って旅することが今の夢。