【闘病ママ】の子育て “なまけてる”と周囲は無理解 「ギャン泣きの我が子を抱っこできない」苦悩の日々

第1回「闘病ママの子育て」~大変すぎる子育て現場編~

一般社団法人「てくてくぴあねっと」代表:うえやま みか

子育てママ・パパの味方であるはずの保育園。今でこそ、理解を得られるようになったものの、長男を預けていたころは病気への理解を得られず戸惑ったことも。

「私の住む自治体では、保育園は保護者の就労のほか、親族の介護や看護、保護者自身の疾病・障害で利用できることになっています。

ところが、まだ長男がお世話になっていたとき、保育士や園長先生から『保育園は働いているお母さんのためのもの』と言われたことがあります。私がどのような病気で長年闘病しているのかということなどは伝えていましたが、『病気がよくならないなら、病院や主治医の先生をかえてみては?』と助言してきた保育士も。

また、園内で子どもが階段を使うときは保護者の補助が必要とされていましたが、私には難しい。そう話すと、入園申請時に提出した診断書とは別に、『階段の利用ができないため保育士の助けが必要』と明記した医師の診断書を提出するように求められました。

今思えば、病気療養による保育園利用者は私が初めてで、手探り状態だったのかもしれません。でも当時は、味方のはずの保育士から理解されず、追いつめられている気がしました」

「てくてくぴあねっと」に集う闘病ママ・パパの中には、家族から理解のない言葉を投げかけられる人も少なくないと言います。

「膠原病など病気によっては、どうしようもない倦怠感があり、体を動かせないことがあります。

無理をしたらその分どこかで反動がくるから、皆さん自分なりに悪化させないように、でもできることはやるように、一生懸命自分でバランスを取ってやりくりされています。

そうやって自分のペースで休みながらゆっくり進めているわけですが、人からはその姿が、『家事をなまけている』と見られることがある。『こんなこともやっていないの? 今日一日、何していたの?』と夫から責められたり、義理の親から辛らつな言葉を浴びせられたという話もよく聞きます。

病気によるしんどさは、見た目では分からない。理解してもらいたくても、特に発症して間もないころは、病気のことを分かりやすく伝える術を持っていない。そのジレンマに悩むかたも少なくありません」

─・─・─・─・

家事や育児が思うようにできず困っている闘病ママ・パパたち。では、サポートしてくれる制度を使えばよいかというと、そこには「使いたくても使えない」現実がありました。

次回(第2回)では、子育て支援制度に立ちはだかる「利用の壁」について、話していただきます。

取材・文/桜田容子

てくてくぴあねっとHP  https://tekutekupeer.com/

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うえやま みか

Mika Ueyama
一般社団法人てくてくぴあねっと代表理事

1歳で小児リウマチと診断されてから、リウマチの治療を続けている。現在(2025年9月)はフルリモートで事務的な仕事と、てくてくぴあねっとの事務局業務を兼務。 2021年11月「てくてくぴあねっと」を立ち上げ、病気を抱えながら子育てをする人たちと情報交換し悩みを打ち明け合えるオープンチャットやオンラインカフェを設けた。 夫、長男(2016年生まれ)、次男(2020年生まれ)と4人暮らし。 ●てくてくぴあねっとHP

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1歳で小児リウマチと診断されてから、リウマチの治療を続けている。現在(2025年9月)はフルリモートで事務的な仕事と、てくてくぴあねっとの事務局業務を兼務。 2021年11月「てくてくぴあねっと」を立ち上げ、病気を抱えながら子育てをする人たちと情報交換し悩みを打ち明け合えるオープンチャットやオンラインカフェを設けた。 夫、長男(2016年生まれ)、次男(2020年生まれ)と4人暮らし。 ●てくてくぴあねっとHP

さくらだ ようこ

桜田 容子

ライター

ライター。主に女性誌やウェブメディアで、女性の生き方、子育て、マネー分野などの取材・執筆を行う。2014年生まれの男児のママ。息子に揚げ足を取られてばかりの日々で、子育て・仕事・家事と、力戦奮闘している。

ライター。主に女性誌やウェブメディアで、女性の生き方、子育て、マネー分野などの取材・執筆を行う。2014年生まれの男児のママ。息子に揚げ足を取られてばかりの日々で、子育て・仕事・家事と、力戦奮闘している。