【闘病ママ】の子育て “なまけてる”と周囲は無理解 「ギャン泣きの我が子を抱っこできない」苦悩の日々

第1回「闘病ママの子育て」~大変すぎる子育て現場編~

一般社団法人「てくてくぴあねっと」代表:うえやま みか

「保育園の帰り道、松葉づえをつきながら子どもと歩いていると、すれ違いざまにまったく知らない高齢の男性から『お母さんがそんなんで、子どもを守れるのか』と言われました。

息が止まるかと思いました。私って、こんなふうに思われているの?

幼児連れの親子から聞こえてきた会話も忘れられません。『なんであの人は歩き方が変なの?』と問いかけた子どもに、母親が『お母さんの言うことを聞かなかったらあなたもそうなるわよ』と返答。

私は何かの罰でこうなったの!? ショックでぼう然とする私を見て、横にいた当時3歳の長男は何かを感じ取ったのか、それまでその日の出来事を話してくれていたのに、急に無言になりました。自分だけならまだしも、子どもにまで聞かせてしまったことがとてもつらかった」

子どもを追いかけられない自分を責めた

「できない」ことが多く自責の念にかられる日々。さらに追い打ちをかける出来事がありました。

「保育園からの帰り道、当時3歳半だった長男が私の手をするっと振り払って、歩道からかけ出していったんです。手の痛みから、私の手をつなぐ力も弱かったのでしょう。息子もいつの間にか抜け出そうとする知恵もついていた。本当に一瞬の出来事でした」

大きな声で『お願い、止まって!』と何度叫んでも、息子は聞く耳を持たず、車が行き交う道に向かってどんどん走っていく。

周囲の人に『すいませーん、だれかその子を捕まえてください!』と呼びかけると、車道に飛び出す寸前で、スーツ姿の男性が息子をキャッチ。うえやまさんは泣きながら息子を抱きしめました。

「止めてくれたかたに感謝すると同時に、いろいろな思いがあふれてきて涙が止まりませんでした。自分のせいで息子を危ない目にあわせてしまった悔しさ、命がつながった安心感。

“私が強く手を握れていたら”“走って追いかけて捕まえられていたら”と、何度も自分を責めました」

見た目では分かってもらえず「なまけているだけ」と……

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