子どもの幸せ度は「自己決定」で決まる　親に必要な余裕と大切な言葉がけとは？

もちろん、子どもが決めたことは、うまくいかないことや、大人から考えて「え？　あんまりいい方法じゃないかも」と思うことも多々あるでしょう。でも、うまくいかなければ、また相談したり、別な方法を試してみればいいですよね。

失敗したときに再度チャレンジできる力は、「レジリエンス」と言います。応援してくれる、受け止めてくれる親がいる、自分は何とかできそうだという自己肯定感がある。だから、何度でもチャレンジしてみようという気力がわいてくるのです。

でも、親として大人として、子どもの気持ちを聞いたり、子どもの決定を見守ることなんてできないことがあります。それは親自身に余裕がないときでしょう。

まずは親が忙しすぎたり、疲れすぎないように、手当てをしておくことが大切です。仕事の仕方を含め1日のスケジュールを見直してみる、夫婦で回らないところは便利家電を導入する、ファミリーサポートや一時預かりを利用する、料理は市販のお惣菜や冷凍食品も活用するなどです。

もちろん、手作りじゃないとイライラするなら手作りした方がいいですが、調理したり、皿を洗ったりする時間が10分でも15分でも短縮できたら、その分、子どもとゆっくりお風呂に入ってお話しできたりするかもしれません。

親自身が心と体を満たし、整えておくこと。そうすると子どもを見守れるようになるでしょう。親はもちろん、すべての大人が、子どもを温かく見守り、育む世の中になればと願います。

2023年度スタートのこども家庭庁、こども基本法が、大人と子どもの意識変革の契機になり、子どもの育ちを支える社会が実現されればと思っています。

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高祖常子（こうそ・ときこ）
子育てアドバイザー・キャリアコンサルタント。リクルートで学校・企業情報誌の編集にたずさわったのち、2005年に育児情報誌miku編集長に就任し14年間活躍。認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事ほか各NPOの理事を務める。「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」（厚生労働省2019年度）でガイドライン策定委員ほか、国や行政の委員を歴任。子育てと働き方などを中心とした著書も多数で、全国で講演を行っている。
３児の母。東京家政大学第９回渡邉辰五郎奨励賞受賞。

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