子どもの幸せ度は「自己決定」で決まる 親に必要な余裕と大切な言葉がけとは?

子育てアドバイザー・高祖常子氏「叩かない&どならない子育て2022」#5~子どもへの寄り添い方~

子育てアドバイザー・キャリアコンサルタント:高祖 常子

子育てアドバイザーの高祖常子さんに、子どもへの接し方を伺いました。  写真:アフロ

国や行政の子育てに関連する多数のプロジェクトで委員を務め、全国で講演なども行っている、子育てアドバイザー・高祖常子(こうそ・ときこ)さん。

高祖さんが、10年以上、強く言い続けている「叩かない、どならない」子育て。これまで叩く・どなるが子どもに及ぼす悪影響から、感情的になった親の気持ちの切り替え方、他人の子を目撃した場合の対処法などを教わりました。

そもそも私たち親は子どもに対して、どんな心構えで寄り添っていけばよいのでしょうか。高祖さんに伺いました。

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高祖常子(こうそ・ときこ)PROFILE
子育てアドバイザー・キャリアコンサルタント。2005年に育児情報誌『miku』編集長に就任し14年間活躍。Yahoo!ニュース公式コメンテーター。子育てにまつわる各NPOの理事や、国や行政の委員を歴任。子育てと働き方などの著書も多数で、全国で講演も開催。東京家政大学第9回渡邉辰五郎奨励賞受賞。3児の母。

親から「◯◯しなさい」の繰り返しはイエローカード

これまでは子どもを叩いたり怒鳴ったりすることの弊害などを、いろいろな角度からお伝えしてきました。今回は第5回。子どもへの接し方を確認したいと思います。

そもそもどんな大人に育って欲しいのか?

子どもを叩いたり怒鳴ったりしてしまうのは、もちろん親自身がいっぱいいっぱいということもありますが、子どもに立派な一人前の大人になって欲しいという想いもあるでしょう。

私は講座で「どんな大人に育って欲しいですか?」と問いかけています。
みなさんは、お子さんにどんな大人に育って欲しいでしょうか。

「明るい人」「あいさつができる人」「友だちがたくさんいる人」など、いろいろな答えが出てきますが、多く出てくるのは「優しい人」「人の気持ちが分かる人」「人の役に立つ人」「自分の意見が言える人」という感じです。

このときに出てこないものがあります。なんだと思いますか。
「怖い人に合わせる人」「人から言われたように動く人」です。

日々の子育ての中で、「おもちゃを貸してあげなさい」「片づけなさい」と、つい指示型の言い方になっていないでしょうか?

もちろん、親がそのように考え、望むことは悪いことではありません。「おもちゃを貸してあげられたら、友だちとの関係がとてもいい感じ」「すぐに片づけてくれたら、その後の段取りがスムーズ」ということも多いでしょう。

これは短期的目標ともいいますが、強く言うと、上記のような言葉になり、指示型・威圧型になってしまうことを心がけておきましょう。

親としては「○○しなさい」と言ったときに、子どもが「はい、わかりました」と聞いてくれると、いろいろと物事がスムーズに運ぶわけですが、でもこれを毎日積み重ねていくとどうでしょうか。

将来、会社に入って「キミの意見を聞かせてくれ」と言われたとき、「自分の意見なんてありません。言われたとおりに動きますから」というような大人になってしまわないでしょうか。

要は日々の子どもへの関わりが、子どもが大人になっていくベースとなり、将来へつながっているということです。そう思うと、日々の声がけも変わってくるでしょう。

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