モヤモヤは大人になるための大事な「成長痛」
松素:先日、電車のなかで女子高生が「お父さんのことをどうしても好きになれない。自分を愛してくれているのはわかるのに、優しくできない。(私は)最低の人間だ」と、友達に話しているのが聞こえてきて……。あまりに深刻そうだったので、思わず抱きしめたくなりました。
モヤモヤを抱えることは悪いことではなくて「成長痛」なんだと思います。
自分のことがダメだと気づけたら、一歩前進している証拠。いまは苦しいかもしれないけれど、人として大きくなるための成長痛だと思えたら、少しは楽になるんじゃないかなと思います。
学校生活で苦しんでいる子がいるなら、同級生が友達のすべてではないと伝えたいです。
私はいま40代だけど、80代と70代の親友が2人います。学生時代は学校が世界のすべてに見えるけど必ず通り過ぎていくものなので、近所の人とかお母さんの友達とか、違う世代に友達をつくってみてください。
いま思うと、中学生の私にとっての保健室の先生も、そういう存在だったのかなって思います。
それでも生きる意味はある
松素:そして、まさにいま子育てをしている親御さんと分かち合いたいことがあります。
私も2児の親として子育てに悩むことがありますが、大変なときは心理学者のヴィクトール・E・フランクル(※)の「どんな状況であっても、人生には必ず意味がある」という主旨の言葉を思い出しています。
精神科医のフランクルは、ナチス強制収容所に送られ、家族を亡くしました。そんな辛い経験をしたフランクルも「生きる意味がある」と信じることで、生きる力が湧いてくると説いていたのです。
子育ての悩みや涙も決して無意味なものではないのだと、私は信じています。
昨日までの後悔も、明日からの不安もいったん脇に置いて「今日一日、この子と向き合おう」と歩んでいくことが大事なのではないかと思います。
日々いろんなことがありますが、同志として、共に乗り越えていきましょう!
(編集部注※ヴィクトール・E・フランクル:1905-1997。ウィーン在学中よりアドラー、フロイトに師事し、精神医学を学ぶ。ナチス強制収容所に送られた体験を描いた『夜と霧』は世界的なベストセラーに。人間存在の意味への意志を重視し心理療法に活かす実存分析やロゴセラピーで知られる)
取材・執筆/山口真央
撮影/安田光優


学校に居場所がない、そんなキミに・家族に


山口 真央
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。
幼児雑誌「げんき」「NHKのおかあさんといっしょ」「おともだち」「たのしい幼稚園」「テレビマガジン」の編集者兼ライター。2018年生まれの男子を育てる母。趣味はドラマとお笑いを観ること。




































松素 めぐり
1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。本シリーズ第1巻『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞。『保健室経由、かねやま本館。』第1~3巻で第50回児童文芸新人賞を受賞。
1985年生まれ。東京都出身。多摩美術大学美術学部絵画学科卒業。本シリーズ第1巻『保健室経由、かねやま本館。』で第60回講談社児童文学新人賞を受賞。『保健室経由、かねやま本館。』第1~3巻で第50回児童文芸新人賞を受賞。