「こども選挙」で子どもと大人に芽生えた当事者意識 何も考えず住んでいた町が“大切な町“になった想定外の効果

子どもによる、子どものための「こども選挙」#3~子どもと大人の変化~

「こども選挙」発起人:池田 一彦

子どもたちの声を市政に──。候補者へのメッセージを自由に書くことができるメッセージカードも用意された。  写真提供:こども選挙実行委員会
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日本の選挙は若者の投票率が低迷し続ける一方で、昨今はSNSで票を伸ばす候補者も増えてきました。そんな中、実は子どもによる選挙もじわじわと広まっています。

発端は2022年10月の神奈川県茅ヶ崎市長選挙と同時に行われた「こども選挙」です。これは、小学生~17歳の子どもたちが、実際の候補者の中から市長にふさわしいと思う人を選び投票する模擬選挙プロジェクトのこと。

「こどもの、こどもによる、こどものための選挙」というコンセプトのとおり、準備や運営は子どもたちが担います。

第1回・第2回では、始めたきっかけや選挙前や選挙当日に子どもたちが体験したことについて、発起人の池田一彦さんに伺いました。

今回は、地域社会に参加することで子どもや大人たちに見られた変化や、広がり続ける「こども選挙」の輪について、引き続き池田さんに伺います。

※3回目/全3回(#1#2を読む)

●PROFILE 池田 一彦
「こども選挙」発起人。株式会社be代表。クリエーティブディレクター。プランニングディレクター。アサツーDK、電通を経て、2021年に株式会社be設立。「全ての仕事は実験と学びである」をモットーに幅広いレイヤーのディレクションを手掛ける。

「こども選挙」発起人の池田一彦さん。夫婦で運営するコワーキング&ライブラリー「Cの辺り」(神奈川県茅ヶ崎市)にて。
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一票とともに「子どもの声」を候補者に届ける

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