
「仏像をバラバラに解体」? 東京藝大教授が小学生に本気で推す展示 子どもの感性を潰す大人の“NG言動”
“一生モノの感性″の育て方”/後編
2026.07.24
夏休みのおでかけに、また自由研究のテーマに、大人も子どももワクワクしながら学べるスポットを見つけたい! そんな親子におすすめの催しが、東京藝術大学大学美術館で開催される『藝大式美術の“ミカタ”―この夏、藝大生になる―』です。
東京藝大の現役教授陣による「12の講義」をテーマにした展覧会で、子どもたちの知的好奇心を刺激する仕掛けが満載です。
「センスや才能」の先にある、子どもたちの可能性をひらく美術の本当の“ミカタ(見方)”について伺った前編に続き、この後編では、総合監修の古田亮教授に、小学生に一押しの展示や、家庭でできる自由研究への繋げ方を伺います。
大人が「よかれ」と思ってやってしまいがちな「感性を潰すNG言動」まで、一歩踏み込んでお聞きしました。
●PROFILE 古田亮(ふるたりょう) 1964年生まれ、東京都出身。東京藝術大学大学院美術研究科日本東洋美術史専攻博士後期課程中退。1993 年より東京国立博物館に勤務。東京国立近代美術館主任研究官を経て、2021年から東京藝術大学大学美術館教授。専門は近代日本美術史。「琳派 RIMPA展」や「揺らぐ近代展」、「大吉原展」など話題性の高い美術展を企画し、多くの関心を集めている。
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仏像をバラバラに解体して、組み立てる⁉
──今回の展示で、古田さんがとくに小学生の子どもにおすすめしたい講義を教えてください!
古田亮さん(以下、古田さん):6限目の「模刻から学ぶ仏像の保存修復」です。子どもって、プラモデルなどをバラバラに解体するのが好きじゃないですか(笑)。そこにヒントを得て、「仏像をバラしちゃってる」専門家がいることを紹介する企画です。
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『藝大式美術の“ミカタ”―この夏、藝大生になる―』の展示6限目彫刻保存特殊講義「模刻から学ぶ仏像の保存修復」では、仏像など彫刻の保存修復には欠かせない“模刻”について、その目的や意義を、歴史とともに分かりやすく紹介。藝大コレクションの中でも屈指の名品である快慶の大日如来坐像を中心に、原作とその模刻の比較や近年の科学的な調査を重視した修復の手法などを体験的に学べる。
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古田さん:そもそもなぜ古い仏像を模刻し、保存修復するのかに素朴な疑問をもつ子もいるでしょう。また仏像修復という仕事に一生をかけて取り組む人がいるということを知るだけでも、子どもにとっては大きなインパクトがあると思います。
そうした驚きの体験が視野を広げること、そして自分なりの見方を育てることにも繋がるはずです。
──古田さんが担当する展示についても、ぜひ教えてください。
古田さん:私が担当しているのは、4限目「岡倉天心『茶の本』を読む」と10限目「生誕140年藤田嗣治 日々の記録」。小学生のお子さんには少し難しい内容かもしれませんが、いずれもここでの学びが先に広がっていけばいいなという想いを込めています。
日本人がなぜ日本美術を大事にしてきたのか。それまで誰も言わなかったことを、思想家・美術運動家の岡倉天心は、海外の人々に向けて発信していました。
そうした彼の言動を改めて見直してみようということ、そして東京藝大の前身である東京美術学校の創設に関わった人物である彼をよく知ってもらおうという意図があります。
藝大生にとっては、自分たちの原点を確認する意義があるかなと思います。
平櫛田中「五浦釣人」1943年 東京藝術大学蔵
古田さん:“フジタ”とは画家の藤田嗣治のことで、彼は東京藝大の有名な卒業生の一人です。2026年は、藤田嗣治生誕140年の年にあたります。
今回の企画では彼の子ども時代からの歩みを追っていますが、彼ももちろん最初からスターというわけではありませんでした。パリに行き、自分を演出する方法を身につけてスターとなっていったのです。
今回のコレクションを通して、自己演出によって成功する前の彼、旅に出ては絵を描く素朴な学生上がりのフジタの姿を知ってもらえたらと思っています。
世界的に有名なスターであっても、その始まりには学校という学ぶ場所があった。それに気づいてもらうことが、狙いのひとつです。
藝大生の学生生活は、毎日がワークショップ!
──「藝大式美術の“ミカタ”」では12の講義のほか、さまざまなイベントが行われるそうですね。その内容についても詳しく教えてください。


































