不登校が終わるなら…私が選んだ「母子登校」という選択【前編】

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息子を支えながら仕事にも追われる

不登校が終わるなら…私が選んだ「母子登校」という選択【前編】 イラスト:1日1鶏
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当時、私は正社員として働いていました。事情を上司に話すと、「できる範囲で対応してくれれば大丈夫」と言ってもらえました。仕事が完全リモートだったこともあり、なんとか退職せずに続けることができていたのです。

とはいえ、学校にいる間は仕事に集中できません。息子の様子を見守りながらも、頭の片隅では、溜まっていく仕事のことがずっと気になっていました。

必要な会議はすべて15時以降に調整してもらい、帰りの会が終わると急いで帰宅する。そこから夜まで、遅れた仕事を取り戻すようにパソコンに向かう日々が続きました。

昼食もとれずトイレにもいけなかった

買い物は宅配やネットスーパーを利用しながら、なんとかこなしていました。けれど、母子登校を中心に1日が進んでいく生活に、私の気持ちはなかなかついていけませんでした。

もともと朝食を食べる習慣がなかったこともあり、気づけば1日1食のような生活になっていました。おなかが空いても、給食の時間には息子が食べる様子をそばで見ているだけ。トイレもどこを使っていいのかわからず、水分を控えるようになっていきました。

自分のお弁当を持っていけばいい。トイレも気兼ねせずに使えばいい。そう思う人もいるかもしれません。

でも当時の私は、息子のことで学校に迷惑をかけているという思いがどこかにあり、付き添っている自分のために学校へ何かをお願いする気持ちにはなれませんでした。

先生に「少し帰宅してもいいですか」「毎日来なくてもいいですか」と相談しようと思ったこともあります。けれど、教室に入ることすらできず、不安でいっぱいの息子を残して私だけ帰ろうとするなんて、ひどい母親だと思われるのではないか。そう考えると、怖くて言い出せませんでした。

土日や祝日、連休が来るのが待ち遠しく、涙が出るほどうれしかったことを覚えています。

先生に言ってほしかった言葉

立ちっぱなしで息子に付き添う私を見て、担任の先生は「お母さんも椅子に座ってください」と言ってくれました。「無理しないでくださいね」と声をかけてくれることもありました。

その気遣いは、もちろんありがたかったです。

でも、私が本当に必要としていたのは、「椅子に座ってください」という配慮ではありませんでした。

「お母さん、もう帰って大丈夫ですよ。私がちゃんと息子さんを見ていますから」

先生のほうから、そう言ってほしかったのです。

母子登校がスタートしても、なかなか息子だけで登校できるようにはならず、時間だけがどんどん過ぎていきました。いつ終わるかもわからない、先の見えない日々。

いつ終わるとも知れない日々は、私の体力と気力を少しずつ奪っていきました。息子のためだとわかっていても、毎朝学校へ向かう私の足が、少しずつ重くなっていったのです。

文/構成・橘サチ

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