さあ、お片づけを始めよう! 「子育て家庭の片づけ」成功までの「3ステップ」を専門家が伝授

子育て家庭のスッキリ簡単お片づけ 基本の「き」 #2 どこから片づける?

スッキリした空間を作ると、ズボラママでも心地よく毎日が過ごせます。 写真提供:石牟礼ともよ

片づけの3つのステップ

家族での話し合いで方向性が決まったら、いよいよ片づけを開始します。「3つのステップ」に沿って片づけを行うと、スムーズに進めることができます。

石牟礼さんに、それぞれ詳しく解説してもらいましょう。

① 物を分ける

片づけ手順の最初は「物を分ける」ところからスタートします。世の中にはいろいろな仕分けの方法がありますが「今、使っているかどうか」で考えることがポイントです。

同じ場所に普段よく使っているものと、あまり使っていないものが一緒になっているから、片づけるのが大変になるのです。片づけというと『処分』が頭に浮かびますが、捨てることから考えず、まずは自分の行動を振り返り、よく使っている物とそれ以外の物とに分けましょう。

そうすることで、そのあとの片づけ作業も滞りなく進めることができます。

例えばキッチングッズでは、調理のたびに使う菜箸やキッチンバサミと同じ場所に、あまり使わない泡立て器やマッシャーなどが置いてあるのはNGです。使うたびにゴソゴソ探して選び取る手間が増えてしまいます。使う頻度で分けて別々に収納することで、無駄な動きが減ります。

調味料やお皿なども同様で、その場所で使うものであっても、普段使っているものとあまり使わないものが混ざって置いてあると、取り出したりしまったりするのにひと手間増えてしまいます。

また、よく使う物であっても、その場所にストックまで置いておく必要はありません。開封済みと未開封の場所を分けておくことで限られたスペースを使いやすくし、全体量が減って取り出しやすくできます。

ママは忙しいからこそ、家事がシンプルになるように「物を分ける」ことが重要になります。

キッチングッズも使用頻度で「物を分ける」ところからスタート。 写真提供:石牟礼ともよ

② ストックスペースを作る

仕分けして出てきた「使う頻度が落ちるもの」「今、使っていないもの」は、使いやすい場所から外します。やっぱりよく使うと感じたら、また戻せばいいだけです。

キッチン用品であれば、たまにしか使わない保存容器、切らすと困る予備のビニール袋やラップ、洗剤などをストックスペースに置いておきましょう。1ヵ所にまとめておけば、あちこちにしまい込んでわからなくなることを防げます。「足りない」「なくなった」と思ったときにまず、ストックスペースを確認することで、在庫の管理ができ、必要以上に物が増えることを防げます。

ただし、ストックスペースがあるからといって、あまりにもストック品を増やすことには注意が必要です。

家計のことを考えてまとめ買いをすることもありますが、ストック品は増えれば増えるほど、物を管理する手間が増え、収納スペースも必要になります。

ズボラママにとっては、ストックスペースは便利なようでいて、「なんでもここに突っ込んでおけばいい」という意識でいると、ストックスペースから物を探すことが難しくなります。

用意したスペースに収まらなくなると、置く場所に困るようになり、自分を苦しめる原因になります。ストックできる数の上限は設定しておきましょう。

③ 使う場所に置く

分けたものは「使う場所」に配置しましょう。

実際に今、日常で使っている物でも使う場所に置いていないと、使うためにわざわざ取りに行くことになります。場所を移動する手間が増えると、元の場所ではなく、近くに放置されがちです。置いてある場所が変わると探す手間が増え、時間と労力のムダが多くなります。片づけで疲れる原因は、戻す作業にあります。

必要なものが必要な場所にあると、動線もスムーズで日々の生活がシンプルになります。自然と余裕が生まれるので、ズボラママでも管理しやすい状態を作り出すことができます。

家族が共有して使うものであれば、ルールを再度話し合い、置く場所を決めることが大切です。そういう意味でも、ルール作りが家族にとって重要になります。


次回は、育児中に一番困る、成長に合わせて増えていく洋服やおもちゃ、子どもの作品などの片づけ法や管理法について紹介します。

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◆石牟礼 ともよ(いしむれ ともよ)
動線片づけコンサルタント。整理収納アドバイザー1級、ライフオーガナイザー1級、福祉住環境コーディネーター3級。片づけを仕事にしてキャリア11年。お片づけ訪問・相談実績は、のべ750軒以上。ヤングケアラーだった幼少期の経験、重度の埃アレルギーを持つ旦那さん、極度の遠視を持つ娘さんとの暮らしを通して、効率の良い家事テクニックを培う。生活スタイルに合わせて物を配置する「動線片づけ」は、家事や育児に忙しいお母さんたちに好評。また、よりシンプルに暮らすことをモットーにした家は、物事がはかどりやすく「開運ハウス」と呼ばれている。

取材・文/星野美香

【子育て家庭のスッキリ簡単お片づけ 基本の「き」】の連載は、全3回。
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